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1月31日で閉店したジャスコパルム店正面入り口
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三条市・昭栄地区市街地再開発事業のキーテナントとして昭和63年のオープンから13年、経営難という理由から撤退を余儀なくされた三条市神明町、ジャスコパルム店(大高満男店長)は1月31日、最後の営業を行い、静かに13年間の営業の幕を閉じた。
昨年12月から行っている売り尽くしセールと、ジャスコパルム店の最後を見ようと、朝から来店客が詰めかけ、駐車場入り口の自動でチケットを発行する機械には、これまでめったに見ることのなかった「満車」の文字が赤く灯った。
夕方には中高生が増え、店内は商品を求める人でごった返した。売り場は「いらっしゃいませ!」「このワゴン、全部100円!」と、競うように大きな声が響いた。商品だけでなく、通常では販売しないディスプレーに使っていた作り物のグリーンや什器なども販売した。
各階を上下してセールコーナーを回り、羽毛布団などを抱えて足早に帰る人も。最も混雑した食品売り場は、買い物カゴいっぱい商品を購入する人が多く、野菜や生鮮食品が見るみるうちになくなり、レジは長蛇の列が延びた。
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最後の来店客の見送り
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閉店30分前の午後7時、「お別れの時間が近づいてまいりました。完全閉店まで、あとわずかでございます。時間までお買い物をお楽しみくださいませ」とアナウンス。それでも来店者が続き、目当ての売り場へ直行。一方で、ゆっくり店内を歩く人は、買い物というより最後の同店を見届けようとしているようだった。
閉店5分前、「あとわずかでジャスコパルム店は営業を終了、お別れさせていただきます。ご来店の皆さまありがとうございました」のアナウンスを合図に、大高店長はじめ手の空いた社員が、1階入り口2か所と2階連絡口に整列し、買い物を終えて店を出る客を「ありがとうございました」と頭を下げて見送った。
来店者も「こちらこそ、ありがとうございました」「お元気で。お体に気をつけて」と逆に社員にねぎらいの声をかけていた。
7時50分ころには、ほとんどの客が引き、整列していた社員もそれぞれ持ち場に戻った。13年前の華々しいオープンとは裏腹に、とくにセレモニーもなく、いつも通りの形の最後の閉店だった。
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閉店、そして誰もいなくなった店内
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大高店長は「多くのお客さまから温かい励ましの声をかけてもらいました。お客様の中には涙を流して別れを惜しむ方が何人もいらっしゃいました。ジャスコパルム店の飲食店街は、この地域の冷蔵庫だったので、主婦の方や飲食店さんに『これから買い物が大変だ』という声も多く聞かれました。また、1階には腰を降して休むスペースがありますが、そこには毎日来られるお年寄りの方もいらっしゃいました。そういう方たちの場所もなくなってしまうんですよね」。
大過なく営業を終えた安堵感と、ジャスコパルム店を利用していた客の今後のサービス低下を気にかけ、複雑な表情で話していた。
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