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三条市内7中学校の卒業式で990人巣立つ(2001.3.10)
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大島中学校、第53回卒業証書授与式
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三条市内7中学校すべては9日、そろって卒業式を行い、合わせて990人が巣立った。3月というのに、前夜来の大雪で銀世界のなかでの卒業式となった。来賓として高橋一夫三条市長が参列した大島中学校(玉井正弘校長・生徒数151人)では、午前9時半から同校体育館で第53回卒業証書授与式を行い、57人の卒業生が3年間の思い出を胸に学びやを巣立った。
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玉井校長式辞
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卒業生1人ひとりに卒業証書を手渡した玉井校長は「卒業生の皆さん、おめでとうございます。今受け取った証書は、社会に出て生活できる証です。どうぞ大切にしてください。私から2つの言葉を送ります。ひとつめは、人間の生きる力は夢にあります。どうぞ、夢を抱いてください。それからもうひとつ、温かな心を持ってください。平成7年1月17日、阪神地方を襲った大地震で、若い人たちのボランティアが活躍しました。21世紀に入り高齢化、福祉社会が進展していきます。人間はひとりで生きてはいけないことを実感し、人を思う温かな心、そして行動力をもってください」とはなむけの言葉を贈った。
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市長祝辞
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高橋市長は「君たちは、お父さんやお母さんたちに、『立派な人になってほしい』と言われていますか。私が33歳のときに親父が亡くなりました。親父の品物を整理していると日記を見つけました。私が誕生した日の日記には、こんなことが書いてありました。『この子には偉くなってもらおうとは思わない』。この文章を読んだとき、肩の荷が降りたような気がしました。今日、家に帰ったら、家の人とこれからどう人生を歩んだらいいのか話し合ってください。それから皆さんの隣に座っている人の顔を見てください。人間は二つの耳と目を持っています。その耳で右の人の言葉も左の人の言葉も、そして賛成も反対もよく聞いて考えてください。それから自分の口で話してください。20年ほど前になりますが、私の娘が卒業するときに言った言葉を贈ります。『君には君の人生がある。友には友の人生がある。脇目も振らず頭(こうべ)を上げてまっすぐ進め。一度しかない人生、後悔することなく…』」。
一般に市長祝辞は、あらかじめ用意した原稿を読み上げるだけのことが多いが、高橋市長は自身の体験から自身の言葉で、卒業生に語りかけた。
祝電披露、在校生の送辞、卒業生答辞、校歌斉唱で卒業式の第1部を終了。続いて生徒がプロデュースする第2部に移り、ステージ前のひな壇に並んで在校生と向き合った卒業生は、代表6人が「思い出メッセージ」としてそれぞれの3年間の思い出を話すと、涙に言葉をつまらせる女子生徒もおり、クラスメイトや父兄の涙を誘った。
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ステージ前に並んだ卒業生57人
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卒業生は「旅立ちの日に」を合唱し、「担任のメッセージ」で、A組担任の高野文子教諭がマイクの前に立つと、女子生徒は緊張の糸が切れたようにいっせいに涙をあふれさせた。
高野教諭は「きょうはみんな、本当にいい顔してる。わがままで自分勝手で負けず嫌いで素直に表現できない君たち。そんな君たちが大好きです」と語り、B組の担任金子浩教諭が「君たちは人に感動させる力をもっている。人を幸せにできる人は、自分も幸せになれます。今まで本当にありがとう。そしてさようなら」とメッセージを贈った。
最後に卒業生は「またね」を合唱、拍手に包まれて退場した。卒業式を無事に終えて、ほっとした表情を見せた卒業生と父兄だが、心からほっとできるのは、目前に控えた12日の公立高校入試の後になりそうだ。
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