燕市は18日午前10時半から燕市文化会館大ホールで平成13年「燕市成人式」を行い、新成人がはたちの門出を祝った。ことしは全国的に成人式の妨害など、新成人の行動が問題視されたが、燕市では新成人で実行委員会を組織して企画、運営し、新成人の恩師のビデオレターを上映するなどの趣向が奏功。逆に近年になく落ち着いた和やかな成人式となった。
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燕市に住民票があることしの新成人は、昭和55年4月2日から昭和56年4月1日に生まれた男子243名、女子211名(平成13年2月1日現在)の計454人。式典には約450人が列席した。ことしは、第1部式典、第2部アトラクション、第3部記念写真撮影の構成で、新成人から募った実行委員が運営、司会もすべて実行委員が行った。
第1部の司会は燕市在住の中野優美さん。高橋甚一燕市長が「私もはたちのとき、成人式を行いましたが、その何十年か後に、市長になって、このような場所で皆さんにお話するとは思っていなかった。ここにいる皆さんの中にも政治だけでなく、世の中のためになる人がでてくることを期待します」と祝いの言葉を述べた。
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君が代斉唱
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高山巌県議は「どうか、この二十歳を迎えるにあたって、同級、同年、友人を求めて、スクラムを組んでがんばっていただきたい」、川上靖夫市議会議長は「皆さんの希望の力を燕市と日本のために使っていただきたいと」とそれぞれあいさつした。
実行委員会は、事前に高橋市長や来賓に2分以内のスピーチを要請、恒例の新成人の主張もなくしたので、第1部の式典は10分ほどで終わった。
第2部は、新成人の主張と恩師のビデオレター。新成人の主張では、司会を神田良美さんと久保田円香さんが行い、選ばれた新成人4人が壇上で主張を発表。看護婦を目指して看護学校で勉強中の女性の将来の夢や、「おとなになるということは、どういうことかわかりませんが、自分のすることにしっかり責任を持ちましょう」など、新成人として思うこと語った。
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新成人の主張
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また、新成人の一人が「クラッカーいいって聞いてたけどだめだった。市長、あとでクラッカー買ってきてよ。市長になりたいんだけど、何歳になったらなれるの?。30歳になったらもう1回、成人式やってよ」など、高橋市長に向かって話すと、高橋市長が苦笑いしながらこたえ、なかにはむっとする来賓もいた。
ビデオレターは、燕、燕北、小池の各中学校の当時、クラス担任で連絡がとれた教諭がビデオの中で新成人に向けて祝いメッセージを寄せるという趣向。ステージに設置されたスクリーンに恩師の姿が次々に映し出されると、新成人からは何とも言えないどよめきが。サングラスにギターで歌う先生もいれば、黒板に言葉を書いて話す、中学校の授業の一こまを思いださせる先生もいて、大受けだった。
第3部の記念写真は、各中学校の3年生ときのクラスごとにステージに上がり、ひな段に並んで撮影し、正午にすべての日程を終えた。
ことしの式典は、事務局になる燕市教育委員会生涯学習課が、事前に県内の他の市町村の式典の統計を取ったり、全国の成人式のあり方を検討して見直し、従来の行政主体の運営をやめ、新成人から実行委員を募集して行った。
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ビデオレター
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記念品も実行委員会で協議した結果、会場で使える「レンズ付きフィルム」にした。市長ら来賓のスピーチの短縮や恩師のビデオレターは新成人の興味を引いたようで、席を立つ人も少なかった。司会が一度だけ「携帯電話の電源を切るか、音を出さないようにしてください」のアナウンスだけで、式典中は携帯電話の呼び出し音も響くこともなく、近年になく静かで和やかな雰囲気で進行した。
新成人の8割は茶髪で、女性はほとんどが振り袖。
事務局の関係者も「実行委員が頑張ってくれたおかげで、ことしの成人式は、静かで順調に進みました。いい式典だった」と、ほっとすると同時に、実行委員の労苦をねぎらった。
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