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100mあまりも連なるアジサイの花で梅雨時の市民の目を楽しませくれている旧NTT東日本新潟支店三条営業所わきのアジサイが、同営業所の閉鎖に伴って放置されたままになっており、NTTが進める合理化とともに風前の灯火となっている。 市道西大割裏門通り2号線に面した旧三条営業所北側に約100mの長さの緑地があり、アジサイばかり120株が植えられている。昭和58年から同営業所窓口社員などが中心となって手入れを続け、「あじさいの小径(こみち)」と書いた金属製のアーチまで設置したが、それも今はもうない。 昨年の12月4日、NTT東日本の経営改善策の一環として、NTT東日本新潟支店に集約され三条営業は廃止、無人化となったのに伴ってアジサイは手入れがされぬまま放置されている。 アジサイはすでに小さなつぼみをつけているが、ことしは特に雨の量が少ないうえに大きく成長した葉が雨をはじいて地面に水が行き渡らず、枝の先が枯れ始めている株もある。 保内公園緑の相談所の市川聡主任は、「昨年まで手入れをされていたようだから、ことしはまだ大丈夫ですが、梅雨明け後、水が足りないと来年に影響してきます。ただ、ことしは今後の雨の量が例年より40%も少ないといわれているので、株の中には水切れに近い状態で枯れ始めているものもあります。雑草は、ことし生えたものがすでに種を落として枯れているので、これから新しい雑草が成長してきます。人が歩かなくなると成長がもっと早くなります」と、早急な対応の必要性を指摘する。 アジサイは水分が不足すると自ら葉を落とし、葉をしおれさせて水が下に落ちるようにする性質があり、とくに雨どいが設置されている駐車場わきのアジサイの状態が悪化している。 市川主任は「水やりの解決策として、建物の雨どいに流れる雨をうまく利用するとか、ホースを引いて自動的に水をあげられるようにする方法があります。雑草は、日光を遮断して雑草の成長を抑える防草シートを敷き詰めると効果的です」と即答するものの、無人化になった今、NTT側の対応は期待できない。 NTT東日本新潟支店は「残念ですが、現在の状態だとアジサイを維持する費用も人員もNTTが管理することはできません。ただ、地域の方から要望の声があがってくれば今後の対応も検討できるかもしれません」と話す。 アジサイは、土壌がアルカリ性だとピンク色の花をつけ、酸性だと青い花をつける。一般に日本の土壌は酸性で青いアジサイを目にする機会が多いが、コンクリートの近くに植えるとピンク色の花をつける。 おかげで「あじさいの小径」のアジサイは、色とりどりの花で市民の目を楽しませてくれたが、このままではそれも時間の問題。市民にとってさらにうっとうしい梅雨となりそうだ。 また、6月1日現在、NTTグループのトップページにアジサイの写真を配しているのも皮肉といえば皮肉だ。 ■Copyright (C) kenoh.com Allrights Reserved. |
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