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三条市のパルム公園で第2回ヤマタノオロチ伝説まつり(2001.6.11)

ヤマタノオロチ伝説まつり実行委員会(鈴木昭宣委員長・30人)は10日、三条市神明町1、神明宮とパルム公園で第2回ヤマタノオロチ伝説まつりを行い、昨年に続く神明宮に加え、ことしは下田村・八木神社も八岐大蛇(やまたのおろち)の舞を披露し、見物客を楽しませた。

姫をねらう八岐大蛇

八岐大蛇を退治し、姫を嫁にとる須佐之男命


ブロードバンド用はここ(試験運用)

開会式で高橋一夫三条市長は「まつりの会場となっているパルムが閉店してから行政としても1日も早く火が灯るよう動いております。今後も三条の文化としてさらに広がってほしいと願っています」、馬場信彦三条市商店街連合会会長は「ことしも皆さんの熱い思いで開催することになりました。私も秋に『良寛さまと遊ぼうまつり』を企画しております。このように三条にはたくさんの文化が転がっています」とそれぞれあいさつし、たる酒で鏡割りを行って開会した。

午前中に神明宮と八木神社が1回ずつ、最後にもう一度、神明宮が八岐大蛇の舞を披露した。どちらの舞も「稲田宮の舞」が正式な名称で、八岐大蛇の伝説に由来する。

目が赤く輝き、八つの頭と尾を持ち、身の丈は八谷八尾根を超える八岐大蛇は、毎年1人ずつお姫さまを食っているという。そこへ乱暴者で高天原(たかまがはら)を追放された須佐之男命(すさのおのみこと)が、古志の国を訪れ、八岐大蛇に強い酒を飲ませて酔わせ、そのすきに退治した。死んでしまったオロチの尾から太刀がでてきて、須佐之男命が天照大神(あまてらすおおみかみ)に献上すると、それが三種の神器の一つ、草薙剣(くさなぎのつるぎ)になったという。

県無形民俗文化財指定の「三條神楽」の演目の最も多くを保存するのが神明宮。稲田宮の舞もその一つだが、それ以外の舞とは趣が大きく異なっている。大半の舞は奏楽だけなのに対し、語りの部分が多い。逆に“踊り”というような動作は少なくシンプルで、酔った八岐大蛇の千鳥足や八岐大蛇に見据えられて震える姫の手など、演劇的な要素が強く、伝説を知らなくても何となくストーリーを理解できる。

お父さんも木工に熱中

にぎわう模擬店

見学の市民は「あれがお姫さまかね」「八岐大蛇が酒飲んで酔っぱらってんだな。フラフラしてる」とそれぞれ分析も楽しみながらじっくり目を釘づけにしていた。

このほかにもバンド演奏や歌謡ショー、模擬店。木工の工作やベーゴマ、タケウマといった昔の遊びの体験コーナーなど、来場者を飽きさせないイベントを行った。

あいにくこの日は本県の梅雨入り。昼前は激しい雷雨に見舞われることもあり、人もまばらだったが、午後から雨が小降りになるにつれて家族連れでにぎわった。舞の前に実行委員会が配るお菓子を目当ての人もおり、天気を見ながら会場に訪れた小さい子どもを連れたお母さんは「雨で遅く出てきちゃったから、もう、お菓子なくなっちゃったみたい。残念です」とがっかり。反面、初めて見る八岐大蛇の舞には「三条にこんなおもしろい舞があるなんて知りませんでした」と、ふるさとの再発見に感激していた。

ヤマタノオロチ伝説まつりは一昨年の暮、地元の有志が集まった席で誰となく「どこもかしこも沈滞ムードで、何かパーッとしたことができないか」「何か土地が喜ぶことができないだろうか」「子どもやお年寄りの喜ぶ顔が見たい」という声があがった。さまざまな意見が出たなかで、八岐大蛇伝説の発祥の地が「古志の国」で、出雲の国の古志郡と北陸の「越」の二つの説があるとわかり、有志の中で、伝説「越」の説を頼りにそれを題材に何かしようと考えて企画。伝説に登場する剣に三条市が「金物のまち」であることも、まつりに関連づけて構成した。

ただ、市民のまつりとして生まれたヤマタノオロチ伝説まつりを神明宮の舞殿では神事になってしまうため、隣接するパルム公園でを会場とし、あわせて子ども向けのイベントを併設した。

昨年は八岐大蛇の命日とされる3月6日に近い3月12日に行ったが寒かったため、ことしは6月10日にスライドさせた。



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