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三条市立大島小学校(吉田晴正校長・児童129人)で昨年5月から飼っているメスのヤギ2頭が相次いで赤ちゃんを出産し、ヤギの世話を担当する1年生23人と3年生19人が、休み時間も惜しんで子守に一生懸命だ。
同校は1、2年生の生活科の授業の一環として昨年5月、当時の2年生が成長が早く、観察に向いているヤギを飼うことに決め、下田村畜産試験場の今井明夫さんの指導で、まだ子ヤギだったメメ、続いてミミを飼った。 ヤギが“おとな”になったのを見計らって、試験場の今井さんがことし1月20日に種付け用のオスのヤギと交配させ、6か月足らずの妊娠期間で最初にメメが6月9日午後2時にメス、ミミが12日午前10時にオスを生んだ。出産直後から子ヤギは立ち上がり、翌日から早くも歩き始めている。 13日、2頭の子ヤギは小型犬と中型犬の間くらいの大きさ。前日、生まれたばかりのミミの赤ちゃんはまだ耳が垂れ、メメの赤ちゃんは見た目にはすでに大きさ以外、親と変わらないほど。それでも親と比べると胴が短めだが、白く柔らかい毛はすでに全身をきれいに覆っており、成長の早さをうかがわせる。 荒々しく母乳を飲んでも、親は何も気にしない。舌で子ヤギの体をぺろぺろとなめてあげると、子ヤギもうれしそうに短いしっぽをぴょこぴょこ振って喜び、思わず目を細めてしまう光景だ。 1年生は休み時間のたびに、我先にグラウンドわきのヤギの小屋へ一直線。軽々と子ヤギを抱き上げ「次はわたし」「じゃんけんしよ」とまるで争奪戦。そんな騒ぎのなかでも子ヤギは暴れることなく児童に身を任せ、親もとくに怒るでもなく、様子を見守っている。 1年生担任の高沢和香子教諭は「みんな、いいですか。ヤギのあかちゃんが生まれたとき、子ヤギがいやがることをしてはいけませんと話しましたよね。子ヤギがお母さんヤギのところに行きたいのに、みんなが抱っこすると、かわいそうだよね。気をつけようね」と諭し、ヤギの親子から何かを学んでもらおうとしている。 ヤギのエサは毎日、三条学校給食協同調理場から余った野菜もらったり、外に生えた草を刈って食べさせているが、大島地区の農家から野菜の差し入れが来ることも。昨年、ヤギの世話をした3年生は、古くなった小屋のペンキを紙ヤスリではがして塗り替え、エサ不足の冬は地域の家を回ってエサを集めている。また、保護者はボランティアで小屋の上に雨よけをのシートを張るなど、児童はもちろん、地域の人たちも参加してヤギを育て、温かく見守っている。 高沢教諭は「何もないところから今の3年生と父兄や地域の人たちで育ててきたので、子ヤギが生まれたときは、土日の休みの日にも子どもたちが父兄の方と見に来てくださいました。これからは先輩の3年生に相談しながら1年生が世話をしていきます。ヤギはかわいがれば、かわいがるほどなついてくれるので、子どもたちに大人気です。16日には下田の畜産試験場に行って今井さんからヤギを飼うための心構えを聞いてきます」としている。 14日の参観日には、児童と保護者でまだ名前のない2頭の子ヤギに“命名”する。 【関連リンク】 ■Copyright (C) kenoh.com Allrights Reserved. |
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