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三条市立図書館(羽賀吉昭館長)では、15日まで同図書館で「本の虫のコレクション」を開いており、三条市内の自称“本の虫”が収集した本の内容見本を一堂に展示している。 郷土史研究家で地図、クラシックなど幅広いコレクションでも知られる三条市西四日町3、会社員荒木常能さん(64)が収集した内容見本を借りて展示している。その数は実に200冊近くに及ぶ。これでも一部を除いて昭和20年代から50年代のものに限定しているというから、驚かされる。 内容見本は出版社が書籍の発行に伴ってその内容をアピールしようと製作するもので、推薦の言葉や内容、見本ページ、刊行期日、価格などを掲載し、小冊子や三つ折り、四つ折りにして配布する。 展示している中で最も古い昭和20年代では、昭和27年の「斎藤茂吉全集」、同29年の「芥川龍之介全集」。コーナーに分類して見やすく展示しており、これらを含む「個人全集」のコーナーには井上靖、森鴎外、内村鑑三、會津八一、宮沢賢治らの内容見本が並ぶ。 夏目漱石の内容見本は「夏目漱石」のコーナーを設けるほど数が多く、あわせて装丁の異なる夏目漱石の著書も展示している。 ほかにも「中央公論社の名著・文学シリーズ」「浮世絵・絵巻物」「文学全集」「世界大百科事典」「大漢和辞典」とコーナーが並ぶ。ページを開いて見られないのが残念だが、表紙を見るだけでも時代とあわせて出版の技術やデザインの変遷を振り返ることができる。製作された当時は主役の本と比べて取るに足りない価値しかなかった内容見本が、年月を経てそれ自身が新たな価値を光らせている。 荒木さんのコレクションには、こうした何気ないものや耳目を集めないものに“時代”という魅力で磨いたものが多く、内容見本のコレクションも、まさに荒木さんの真骨頂と言える。 また、荒木さんは今回の展示に向けて昆虫図鑑に解説のスタイルを借りて“本の虫”を解説した案内はがき(内容は右上)を製作、会場に展示している。
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ほんのむし 本の虫 Books bug カツジ目ショセキ科に属するホンノムシ類の総称。本のあるところに多く出没するので、この名がある。幼虫は童話・メルヘン等を好み、成虫は全ての活字を補食の対象としている。人間に寄生することでも知られており、養分補給のため読書を余儀なくされる。これに寄生された状態を「活字中毒」とも呼び、活字ならば何でも読んでしまう上に、本に関するものは捨てられなくなる。しかし寄生状態の人間に悪影響はなく、むしろ本人はその状態を楽しんでいることが多いため、特に駆除の対策は取られていない。 |
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