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三条、燕、栄、下田の4市町村で構成する(仮称)県央東部合併研究会設立準備会(燕市長・高橋甚一委員長)は、28日午後7時から三条・燕リサーチコアで、合併フォーラムを開き、昨年1月に東京の田無市と保谷市が合併、誕生した新市、西東京市の宮沢浩司企画部主幹の講演やパネルディスカッションを行って具体的な合併のプロセスを学んだ。 出席した4市町村の首長をはじめ議員や自治会長など250人が聴講した。田無市と保谷市は平成10年2月に任意の協議会を設置し、平成11年10月に法廷協議会を設置。宮沢主幹は合併の業務に直接、携わっており、「市町村合併について〜西東京市の事例から〜」を演題に合併の必要性、合併の効果、まちづくり構想、任意協議会の特徴、新市名の公募、財政のシミュレーションなど順を追って話した。 宮沢主幹は、「合併は市民の理解なくして実現しない。私たちはワークショップという手法で行った。大切なのは市民をいかにして巻き込むか。また、各市町村の事務事業の実態調査、簡単に言えば事務事業の棚卸を一刻も早く行ったほうがいい」とアドバイスした。(仮称)県央東部合併研究会設立準備会でも市民の意向調査を重要課題として検討しているが、西東京市では、満18歳以上の全市民を対象に投票形式で行い、合併の賛否、新市の名称、期待する方向性について調査した。 宮沢主幹は、「早いうちに意向調査を行っている団体もあるが、私たちは十分な情報提供を行ってからだと思ったので、ホームページなどを使って情報を公開し、いちばん最後の段階で行った」。具体的に新市建設計画の期間である平成13年度から平成22年までの10年間における合併効果の試算を市民に提示して判断を民意を仰いだ。 合併により一般職人権費が約136億円、特別職人件費が約9億円、市議会議員報酬が約8億円など合計約189億円が削減が見込まれる。さらに行政サービスの向上、住民負担の軽減などを市民に示し、単都市では難しいが合併すると予算規模が飛躍的に増大することなどを紹介した。 最後に「合併の議論を進めるうえで、首長のリーダーシップが非常に重要になってくる。各市町村で庁内合意が得られてからは全庁一丸となってしていかなければならない。どの市町村も厳しい状況ですが逆境をチャンスに変えていかなければなりません」とエールを送った。 講演後は、前新潟経済同友会常任幹事の目黒剛さんをコーディネーターに、宮沢主幹と県の岡田伸夫新潟県市町村合併支援課長補佐をパネリストにパネルディスカッションを行った。 岡田課長補佐は、全国と県内の市町村合併の取り組みを説明。「新潟県でも任意合併協議会設置地域の組織数は6組織31市町村。国や県は合併を前向きに考えている地域は最大限の支援をしていこうということになっている。地方の立場では交付税を死守すべきことだが今までのようなパワーが日本にはもうない。もはや交付税頼みは望めない。大規模な市はより以上の権限が与えられる」と現状は合併の流れにあるとした。 質疑応答で高橋一夫三条市長は、宮沢主幹に西東京市の市民意識調査の回収率、調査の中で合併反対意見の主な理由などを質問。宮沢主幹は「投票率は両市の平均44%。反対理由の多くは今までの市の名前が消えてしまうこと。また、合併後、箱ものをつくって維持管理費が増えるなら今までと一緒だ、という意見が多かった」と答えた。 馬場信彦三条商工会議所副会頭は、合併の目玉、合併後に市民の評価を得ていること、市民の中で問題になっていることなどを質問。宮沢主幹は「合併の目玉は市民の要望が強かった合併記念公園の建設、1コインバスの運行、自宅にいながらパソコンを使って行政の情報が収集できる地域情報化など。市民の評価を得ていることは、合併を通じて行政と市民の距離が縮まったこと。反対に問題点は現在、まだ庁舎を一つにせず並列に業務を行っているので1か所で用事が足らないなど市民にご迷惑をかけている。また、商工会議所や医師会、歯科医師会などの民間の団体がまだ統合されていないなど、今後クリアにしていかなければならない」と説明した。 目黒前新潟経済同友会常任幹事は「この地域はJAの問題も勉強していかなければならない。メリット、デメリットの情報提供を行いシミュレーションし、対応策を考えていく必要がある」とまとめ、1時間半で終わった。 ■関連リンク 西東京市Web 西東京市ってこんなところ 市のあゆみ 西東京市誕生まで ■Copyright (C) kenoh.com Allrights Reserved. |
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