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杉野奎司さんが村山半牧の掛け軸など29点を三条市に寄付(2002.2.5)

三条市横町2、会社社長杉野奎司さん(70)は、5日午前11時に三条市役所を訪れ、杉野社長が所有する村山半牧、富岡鉄齋などの掛け軸29点を三条市に寄付した。

高橋市長(右)に目録を手渡す杉野さん(左)

高橋市長(右)に目録を手渡す杉野さん(左)

村山半牧の23点をはじめ、富岡鉄斎3点、藤本鉄石1点、田能村直人2点の計29点を寄付したもの。杉野社長は掛け軸の目録を高橋一夫市長に手渡し、「独立して仕事を始めてから今日に至りましたが、70歳を機会に引退するつもりでおります。この区切りの年にお世話になった三条市に恩返しがしたいと思いました」と話した。

杉野さんは、130年前の戊辰戦争に興味をもって調べるうちに、三条市でも激しい戦いあったことを知るとともに、三条文人で勤皇の士でもあった村山半牧にひかれ、20年ほど前から掛け軸を集めていた。

戊辰戦争は長岡城の攻防戦が有名だが、三条市の田島橋付近でも激しい銃撃戦が繰り広げられた。三条市内でもすでに忘れられつつあり、この史実を後世に伝えようと平成10年、杉野さんら有志が田島橋付近に戦闘の記念碑を建立、銃撃戦のあった8月2日に除幕式を行っている。

高橋市長は「村山半牧もそうですが、三条出身の有名な人や三条市の歴史を熱心に教えてくれる先生がいない。今、大きく世の中が変わろうとするときに三条もこういう歴史の上で成り立ってきたことをしっかり話をしていかなければならない。学校が週5日制になるんだからそういう授業も必要ですね」と足元の歴史の大切さを話した。

杉野さんは「三条市には何もないって言うけれど、そんなことはない。私の掛け軸は、私がいつまで持っていてもしょうがない。今まで十分、楽しませてもらったので、今度は三条市の人に楽しんでほしい」と話していた。

寄付された掛け軸は今後、市の教育委員会で展示場所や方法を検討するが、ひとまず三条市歴史民俗産業資料館で収蔵することになりそうだ。



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