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イタリアのメーカー役員が燕市を訪問し、産業交流(2002.3.7)

日本貿易振興会(ジェトロ)のミニLL産業交流事業の一環で、燕市と日本金属ハウスウエア工業組合は7日まで3日間、イタリアのメーカー役員を招き、燕市の事業所視察やセミナーを行って産業、経済で交流した。

小林工業(株)ショールームを見学するブカッティ専務取締役(左から2番目)

小林工業(株)ショールームを見学するブカッティ専務取締役(左から2番目)

金属加工メーカーのブカッティ・グループに傘下で、イタリア・ブレーシャ県ルメッザーネ市のイルカルル・ディ・ブカッティ社のクレメンティ・ブカッティ専務取締役(34)を招いた。同市産業界の指導的立場にあるブカッティ一族に属し、自身もグループの一企業の経営陣に就いている。

小林工業(株)の工場見学

小林工業(株)の工場見学

初日は遠藤商事(株)で流通の現場を視察、日本金属ハウスウェア工業組合と燕商工会議所では産地懇談会を開き地元企業の経営者と交流。次に訪れた(財)新潟県県央地域地場産業センターでは「ルメザーネの企業経営手法とイタリアの工業デザイン」についてセミナーを開き、同社の積極的な経営方針を紹介。技術視察では(株)中野科学を訪問し、酸化発色技術を生かしたステンレス製品の製造技術に興味を示した。

2日目は燕市の伝統工芸、鎚起銅器を製造する(株)玉川堂、(株)和田助製作所、山崎金属工業(株)を訪れ、伝統と最新の厨房用品の製造を視察した。

政治や経済について話し合い

政治や経済について話し合い

最終7日は、小林工業(株)を訪問。石川博彰副社長の案内でショールームと工場を視察しスプーンやナイフなどのテーブルウェアができるまでの工程を見学。ブカッティ専務取締役は、スプーンやナイフが一つの金属板から完成され袋に収めるまでを興味深く観察し、石川副社長と産業やルメッザーネ市の労働人口、退職後の年金など経営者としての話にも花を咲かせた。

日本貿易振興会は、平成8年度からLL産業交流事業を行っており、事業名の“LL”は“Local to Local(ローカル・トゥ・ローカル)”の頭文字で、国内と海外の特定地域の産業交流を図ることにちなむ。

海外の新技術やデザインの導入、共同研究の推進、企業誘致などによる新規産業の創出や地場産業の多角化、高度化を目指している。13年度までに170案件を支援しており、日本金属ハウスウエア工業組合もそのうちのひとつ。昨年4月に燕市と日本金属ハウスウエア工業組合からジェトロにLL産業交流事業を提案し、支援が決まった。

7月にはイタリアセミナーを燕市で開き、9月には燕市の企業の代表8人がルメッザーネ市の工場などを訪問している。

『平成13年度 ミニ Local to Local 産業交流事業採択案件概要』(日本貿易振興会)より

新潟県燕市(日本金属ハウスウエア工業組合) − イタリア・ブレーシャ県ルメッザーネ市

業種 : 金属ハウスウェア製造及び金属加工品製造

・ 燕市ではステンレス鋼板を主たる材料として食卓台所用品や他産業のOEM生産を行ってきたが、近年のアジア製品の大量輸入や発注元企業の製造拠点移転などによる不況に喘いでいる。このような中、当地産業は非常に優れた金属加工技術を有していることもあり、イタリアからデザインを学ぶことで国内屈指の「金属加工集積基地」を目指している。

・ 一方で、イタリア製品の優れたデザインはこれまで燕市の産品に影響を与えてきており、金属加工技術に関する交流により、イタリアにおける新規商品開発力の向上を図ることが可能となる。

・ 燕市の金属加工技術とイタリアのデザイン力をミックスすることで、新商品開発、新市場開拓を図り、さらに、双方の産地構造の高度化、多角化を推進する。

・ 平成13年度はミッション派遣と有識者招へい(セミナー開催)を予定している。

■関連リンク

ジェトロ-LocaltoLocal産業交流事業



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