理容師とプログラマーの4人でつくるグループ「Rod-s」(坂田僚司代表）は、このほど理美容店の顧客管理システム「カルテ・プロFX」を開発。ホームページで誰でも無料で利用できるフリーウエアとして公開している。

左から海津さん、小林さん、坂田さん、渡辺さんの「Rod-s」のメンバー4人

データベースソフト、ファイルメーカー Proで開発したもので、ウィンドウズ版とマッキントッシュ版があり、現在のバージョンは「1.01」。

住所や電話番号といった基本的な顧客データはもちろん、来店や売上、カルテの記録や集計、さらに顧客のヘアスタイル写真の登録、メール送信、豊富な検索機能など、幅広いニーズにこたえるきめ細かな設計が特徴だ。

「カルテ・プロFX」の画像登録画面

「Rod-s」は代表の理容業坂田僚司さん(33)＝白根市犬帰新田＝とその理容専門学校時代の同級生だった同小林力さん(33)＝燕市廿六木＝、同海津善道さん(33)＝吉田町神田町＝、それにプログラマー渡辺健一さん(34)＝新潟市五十嵐二の町＝の4人。

坂田さんは「昔から床屋は職人の世界。お客さまの情報がみんな頭の中に入っていることがカッコよさだったし、固定客がほとんどなので“いつもと一緒”でよかった。でもお客さまの状態は変わっていくし、頭の中の情報もあてにならない。そこで紙に記録していく方法が一般的になりました」と話す。

しかし紙のリストは保管場所が必要で、情報を探すのにも時間がかかる。既存の理美容店専用のソフトもあるが、その多くは売り上げの管理を中心としている。

坂田さんは、顧客との信頼関係を築く手助けをしてくれるソフトを求めていたが適したものがなく、それならいっそのこと自分で開発してみようと平成11年1月から原型となった「カルテ・プロ」の制作に取りかかった。

「Rod-s」のホームページ

同7月にライト版をウェブで公開し、さらにことし2月に「Rod-s」のサイトをたちあげて「カルテ・プロFX」を公開。サイトには掲示板も設置し、できる範囲でユーザーサポートも行っている。

開発は理容業を営む3人とプログラマーが一体となり、意見交換しながら進めた。渡辺さんは「どの店でも、スタッフの誰もが簡単に使えて必要な機能がそろっていることが基本でした」と話す。　

「カルテ・プロFX」は、有料でもおかしくない機能と操作性だが、あえて誰でも無料で利用できるフリーウエアという配布方法を選んだ。

坂田さんは「フリーウエアにしたのは、理美容店がパソコンを導入するきっかけになってくれればいいかなって思ったから。これからもRod-sはいろいろなことを提案していきますのでご期待ください」と、理美容店の営業感覚の刷新に意気込んでいる。

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