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三条市歴史民俗産業資料館(羽賀吉昭館長)では、清水敦次郎、浅野正俊、源川雪と続く三条市出身の画家3人のシリーズ「三人展」の皮切りとして、20日から同資料館に近代洋画の清水敦次郎の作品を展示している。 清水敦次郎は5月6日まで前期、8日から19日まで後期と一部作品を入れ替え、2期に分けて展示。20日始まった前期では、30号を最大に色紙10点を含む29点を公開している。 清水敦次郎は明治27年(1894)に上町(今の本町1)に生まれ、大正4年(1915)に上京、太平洋画研究所で学ぶ。同7年(1918)に文展に初入選して以後、文展、帝展で入選を続けて太平洋画会会員に。昭和21年(1946)に日展で特選に輝いた。 戦後、太平洋画会が分裂すると示現会に所属。晩年は木曽山中に移り住み、昭和36年(1962)に68歳で亡くなるまで山岳風景の細密描写を続けた。 展示している作品のうち数点は、木曽山中で描かれたものと思われ、全体を緑色のトーンで統一している。暗闇にコケが光るような、彩度が高くぬめっとした緑は強烈な印象で、幻想的でさえある。 全体をとらえようという意識はまるでない。コケが覆う岩、朽ちた枝、無造作に転がる石。部分を切り取る清水敦次郎の視点を作品が訴え、バランス感覚が試されるような絶妙な構図は緊張感に満ちている。細密な描写手法は、スーパーリアリズムを先取りしているようで、古さを感じさせない。 ほかの展示作品は空の青を基調にしたものが多い。構図もはるかに安定しており、木曽での作品との間には明らかな隔たりがあり、創作の変遷を見てとることができる。 初日20日は東京に住む清水厚次郎の娘、三姉妹がそろってこの日のために来条。洋画界の一時代に名を刻んだ父の作品をじっくりと鑑賞していった。 同資料館では、展示に合わせて清水敦次郎の作品を印刷したカラーの手づくり絵はがきを5枚セットを200円で、やはり手づくりのA4版6ページのカラー図録を1部150円でそれぞれ販売している。 展示はゴールデンウィークにかかることもあり、帰省や観光で三条市を訪れる人の来場にも期待している。前期の間は22日と30日が休館のほかは毎日午前9時から午後4時半まで開館。入館無料。 ■関連リンク |
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