ことしは異常とも言える高い気温が続いている影響で今からコメの品質低下が心配されており、JAにいがた南蒲農業協同組合（横山敏夫組合長・正組合員18,392人）では、影響を最小限にくい止めるため生産農家に田植えを2週間ほども遅らせ、ゴールデンウィーク明けの5月10日以降に行うよう求めている。

ハウスの中で出番まで大幅に待たされる苗

一般に気温が高い時期にイネの穂が出ると品質が低下するとされる。昨年は高温が続いた7月下旬に穂が出て、その後も高い気温が続いたためコメが白くなり、タンパク質の成分比率が上がって品質が低下。その結果、南蒲原地区の1等米比率は県内でも最低の60%と、これまでにない低い水準にとどまった。

1等米と2等米では30kg当たり価格に1,000円もの違いがあり、同組合では昨年のコメづくりを教訓に、ことしは穂が出る時期を気温が安定する8月5日以降になるように調整してほしい生産者に通達した。

同地区の田植えはゴールデンウィークに最盛期を迎えるのが常だが、8月5日以降に穂が出ることから逆算すると、ことしはゴールデンウィークでは早過ぎ、5月10日以降に行わなければならない計算だ。

同組合本店営業部米穀課・岸本久課長は「兼業農家が多いので今まではほとんどの会社が休みになるゴールデンウィークに行っていましたが、ことしはさらに先の10日以降に行ってもらうようお願いしています」と話す。気温や天気を考慮ながら生産農家から寄せられる現場の声をまとめ、水田に張る水の量の調節などを積極的に生産農家にフィードバックする。

しかし、人手が足りないことから手伝いを当て込んでゴールデンウィークに田植えを行っている生産農家が多く、実際にゴールデンウィーク後に田植えを遅らせるところがどれだけあるのか未知数。田植えを遅らせても苗は生長を待ってくれない。ハウスのなかで太る苗を前に気をもむ生産農家もある。

総代500人が参加して28日に開く通常総会では、南蒲原米品質向上決起集会「どん底からの脱出」を行う。総代代表の山田義栄さん＝加茂市下条興野向＝が「1等米比率95％以上」など品質向上目標や、「田植えは5月10日以降に行う」などの技術対策推進目標などを掲げた7つの目標の宣言文を読み上げ、組合員の意志統一を図る。

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