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県の天然記念物に指定されている燕市八王寺、真宗仏光寺派安了寺境内の「大白藤」の開花が、例年より2週間近くも早いペースで進み、5月の声を待たずにすでに見ごろを迎えている。 安了寺は、寛文8年(1668)ころ、三島郡の夏戸本光寺住職、玄昌が次男の了学を伴って入寺し、中興の祖となった。中興住職の入寺当時、宗門紛争がおき、貞享年間(1648〜1687)に、ほかの数十カ寺とともに真言宗大谷派を離脱、真宗仏光派に転派したと伝わる。
「大白藤」は、このときの転派の決意を表明、本山仏光寺の正紋「仏光寺藤」にちなんで植えられたといわれている。以来、歴代住職、門徒らが手厚く保護し、昭和33年3月に県の天然記念物に指定されている。 大白藤の幹周りは7m、そこから延びる枝を支える棚は東西50m、南北30mにもおよび、境内そのものがフジ棚といった印象だ。 例年、5月中旬に満開となるが、ことしはサクラ以上に開花が前倒しで、29日にはすでに5分咲きを過ぎて花見には十分。やや花房が短いような気もするが、かすかに緑色がかった白い花を滝のように棚から垂らす。 それを支える幹に象徴される古木ならではの重厚な味わいとの調和は圧巻。フジはもちろん、境内に咲くほかの花とともに強い香りを放ち、五感で春を満喫できる。 花がゴールデンウィークに間に合うことも珍しいが、ことしはゴールデンウィークとともに花の盛りも過ぎそうだ。夜もちょうちんを下げて夜桜ならぬ夜藤も楽しめるので、見逃さないうちに出掛けた方がいい。 |
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