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昨年4月に加茂市文化財に指定された加茂市七谷黒水、鶴巻邸の所有者、鶴巻嶺二さん(70)と奥さんの帛子(きぬこ)さん(61)夫婦は、県内に現存する古民家の所有者らとネットワークをつくり、古民家に親しみ、理解を深めてもらおうとさまざまなイベントを行っている。 鶴巻さん方の約3,300平方メートルの広大な敷地にある3棟が市指定文化財。鶴巻邸の母屋と酒蔵、さらに古川信三さん所有の旧七谷郵便局舎がそれだ。 母屋は本来、安政5年(1858)に酒蔵として建設し、明治8年(1875)から住居に利用。多くの指定文化財建築と異なり、今も鶴巻さん一家がそこで生活している。 母屋は木造2階建ての切妻造桟瓦葺き、妻入りで前面にひさしがある。平成5年に半分を生活しやすい空間に建て変えたが、当初の形を残す正面は玄関を開けると“通り土間”があり、茶の間は2階部分まで吹き抜けになっている。 昭和39年(1964)の新潟地震や加茂市の大洪水のときにもほとんどダメージを受けなかった。鶴巻さん夫婦は文化財としての保存を働きかけると、小池清彦加茂市長から市の文化財として登録を求められ、前新潟県文化財保護指導員の山崎完一加茂市史編集委員の所見で近代初期の富裕層の居宅として評価され、指定に至った。 鶴巻さんは文化財に指定されることでより多くの人に見てもらいたいと考えていたが、今も生活している空間があるので、気軽にとはいかない。そこで、村上市や笹神村などで古民家を守る人たちと古民家ネットワークをつくっている。 そのネットワークを生かしてこれまでにバイオリン演奏会や女優による一人芝居などを開いている。今月26日にはアマチュア落語家による落語と地元の七谷民謡研究会による民謡を内容としたイベントを開くとともに、同じ日から6月2日まで旧七谷郵便局舎で地元の人たちによるパッチワーク展も開く。 奥さんの帛子さんは「古民家ネットワークは、時代の変化に自由に柔軟に対応していくため、会長もいないし規約もありません。主な活動はネットワークを結ぶ人たちと情報を交換し、多くの人が気軽に訪れることができるような催しの企画などを行っています」と話している。 今後も年1回のペースで催しを企画し、多くの人に参加してもらって古民家の魅力をPRする。26日のイベントは定員70人でチケット1,000円。問い合わせは鶴巻嶺二さん方(電話0256-53-1688)へ。 |
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