企業には業暦というものがあり創業から3年が不安定期、5、6年たてば多少安定は増すがやや不安定期、12年目から15年目が一応の安定期に入る。
ただ、バブルがはじけて10年強、最近の老舗の企業倒産がかなり出てきている。個人消費の冷え込みが回復する見込みはない。構造改革と言っても消費者の財布は固い。
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講師の(株)東京商工リサーチ新潟支店情報部長、野村昌平氏
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危ない企業の見分け方は、会社には皆、不動産がある。40を過ぎても会社、個人の資産が借り物のままの企業は今までやってこなかったということ。私に言わせればその社長は失格。担保設定の状況が大切。担保設定確認をしたときのチェックポイントは、通常の銀行にしていれば大丈夫だがノンバンクなら取り引きしない方がいい。
設定額が時価と比較してどうかを見なければいけない。登記簿を確認すればいろいろ出てくる。三条市役所でも調べられる。差し押さえがあったら危ない。
代表者の個人の経歴を詐称したケースもある。こういった人は疑ってかかるべき。三条出身者でない人が三条出身と言っている人は信用してはいけないし、そういう会社とはつき合いをしない。県外から来た人は、端から信用して判断しない方がいい。
売り上げ高が対前年比90%が3年続いたら赤字に落ち込む。銀行は2年続くと渋くなる。今のご時世では7割の企業が減収減益している。
なぜ我々は情報収集する必要性があるのか、それは連鎖倒産を起こさせないため。情報提供が我々のサービスで義務である。
予信管理(取引先企業のチェック)は非常に必要。倒産も寝耳に水が一番恐い。また銀行とはある程度、同一レベルで話ができないと銀行にすべて吸い込まれる。
借入金はどのくらいがいいのか業種によって異なるが、サービス業は月商の1から2倍が限度、卸・小売業は2から3倍、建設業は3から4倍、製造業は4から5倍が安全のライン。金融機関に言われるままではいけない。銀行にも厳しく対応していかなければならない。
“パクり屋”にも気を付けないと大変なことになる。パクリ屋は所在地が頻繁に変わるし、話術がすごい人たち。コメの場合だと新米を収穫する直前に古米をパクる。初取り引きは小額から入り現金で払う、次は少し金額を上げて半分現金で半分手形にする。売る側とすればこんないいお客さんはいないと販売し、パクリ屋はその後、手形を発行し続け“とんずら”する。一番パクられる商品はOA機器と食料品で、これらは換金性の高い商品だから。
パクリ屋の会社案内は県外企業なのに地元の大手企業や金融機関、大学などの施設が書かれていて、信用させようとしている。地元の企業ですらなかなかつき合いができないのに、県外企業が地元企業と信頼関係を築けるわけがない。
悪い企業の話ばかりだが、いい企業は社長の意志のもと、全社員が同じ気持ちで取り組んで行く会社は伸びている。考え方の違うのんきな社員がいたら辞めさせるべきだ。
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