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第57回県展の版画部門で県展賞に輝いた三条市南四日町4、鶴巻貴子さん(23)は、公募初出展で初受賞の快挙。「まわりの人が喜んでくれたことが何よりうれしい。支えてくれた家族に少しでも恩返しができたかなと思ってます」と、家族の喜びこそが自身の喜びだ。 貴子さんは三条高校卒業、東海大学教育学部美術学科へ進み、現在は日本大学芸術学部大学院の1年生。親元を離れ、東京でする。 貴子さんは祖父母、両親、兄夫婦の7人家族。祖父三郎さんは紙塑人形の創始者で日展会員。母純子さんは彫塑家で県彫刻会副会長、県美術家連盟理事。開設する彫塑教室から県展に応募した生徒4人が4人とも入選している。 さらに、医師の父も時間があれば絵筆を握り、兄は日本画家という、まさに芸術家一家のなかに育った貴子さん。子どものころから三郎さんが制作した人形を描くことが日常のなかにあり、当然のように中学、高校と選択科目で美術を選び、今がある。 「小さいときから美術館に連れて行ってもらいました。描くのも見るのも好きで今でも時間があれば美術館に行ってます」と貴子さん。 大学院では銅版画を勉強する。銅版画はさまざまな技法のなかで最も難しいのは“刷り”。出品作を決めるまで何度も刷りを繰り返した。 公募展の挑戦は今回が初めて。「いつもは見る側なのですが他の人も目から評価されたり、どういうふうに見てもらえるか知りたいと思い、応募しました。その結果、私自身に何か気持ちの変化があれば、それもいいかなと思ってました」。 軽い腕試しのつもりが、金的に結びついた。「受賞の一報を母から電話で聞いたのですが、ただ、ただ、びっくり。その後、作品が掲載された新聞を見て“あー、うれしい”と実感がわきました」。 貴子さんは驚きとともに県展賞受賞を受け止めるが、貴子さんの家庭環境を知る人にはそれほど驚きはなく、十分に予想できた結果と見る向きも多いだろう。 「技術もまだまだ。今、いちばん吸収できるときなので、勉強していきたい。受賞はこれからの励みになりました。家族にはこの道に進む環境を与えてくれたこと、やりたいことをやらせてもらっていることに感謝しています」。 自然体で創作に向かえる環境が貴子さんのいちばんの強みかもしれない。 |
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