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spacer東陽理化学研究所・兼古会長が三条ECで講演spacer(2002.7.19)

三条エコノミークラブ(高橋幸治郎会長)は18日、7月例会を開き、近年は米国のパソコンメーカーから部品受注で大きく業績を伸ばす東陽理化学研究所(本合邦彦社長・本社燕市杣木)の兼古隆行会長の講演を会員60人が聴講した。

三条エコノミークラブ7月例会は東陽理化学研究所・兼古会長の講演

三条エコノミークラブ7月例会は東陽理化学研究所・兼古会長の講演

兼古会長は昭和28年生まれの49歳で三条エコノミークラブのOBでもある。大学を卒業して昭和50年に日本金属(株)に入社。同59年東陽理化学研究所に入社し、平成5年代表取締役副社長、同7年代表取締役社長、同14年3月に代表取締役会長に就任した。

同社は昭和25年、国内初のステンレス電解研磨専門企業として設立。その後、国内で初めてステンレスのカラー発色の企業化、ステンレス・チタニウムの超々深絞り加工技術「U.S.D.D.」を開発。U.S.D.D.技術でチタニウム製カメラボディーの量産に成功するなど、その高度な研究開発能力は県知事賞、国土庁の地域活性化貢献企業賞など数々の賞に輝いている。

現在、4つのグループ会社がありの正社員450人。昨年の年商は80億円。講演では「我が社のコアコンピタンス」と題し、企業の得意分野を中心に同社の会社概要から社訓、経営理念、経営ビジョンと順を追って話した。

講師の東陽理化学研究所・兼古隆行会長

講師の東陽理化学研究所・兼古隆行会長

兼古会長は「我が社は“技術で生きる”を社訓にしてきた。ポリシーは不可能を可能にすること。当社にはブランド商品がない。どうお客さまのニーズに応えていくか、お客さまの提案に対して技術開発を行う。お客さまの要望に応えるだけで生きてきた。難しい提案でもやってみなければわからないという姿勢でやってきた」と、社訓の“技術”を同社の生命線としてきた。

なかでも京セラからチタンの加工の依頼について、その加工技術の難しさに苦労しならがらも結果的には、京セラを満足させるものを完成させた。「この仕事を受けたとき、“ごめんなさい”をしたら今の会社はなかった。われわれの技術はわれわれがつくったのではく、お客さんがわれわれの技術をつくり上げてくれた。社員にも、このことを絶対に忘れてはいけないと話している」。

同社は近年、米国・アップル社の依頼で、ノートパソコン「PowerBook G4」のチタンボディの製造をはじめ、一体型パソコン「iMac」のボディと液晶ディスプレーを結ぶステンレス製の支柱、MP3プレーヤー「iPod」のステンレス製の裏側パネルなど、IT関連の加工を手がけていることを紹介した。

兼古会長は同社の取り組んで来た具体例を示しながら、経営者として必要な心構えやビジョンを話した。聴講者は国内外で注目を集める同社首脳の経営マインドをそれぞれの会社でも生かそうと真剣に聞き入っていた。

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