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通帳に添付される副印鑑を使わずにコンピューターに印鑑を登録し、照合できるシステムの導入が大手都市銀行から広がっている。県央地域の金融機関でも導入の検討の動きが加速しているが、数千万円かかるという費用対効果が足かせとなっている。 これまで現金を窓口で引き出すには、払い戻し伝票に押された印鑑と通帳に貼付の副印鑑を照合してきた。しかし近年、通帳の副印鑑を元に印鑑を偽造して現金を引き出すという犯罪が増えている。 これを防止するのがコンピュータによる印鑑照合システム。印鑑をコンピューターに登録し、データベース化して照合する。通帳に副印鑑がないので、通帳からの印鑑偽造は不可能になってセキュリティが高まると同時に、印鑑照合事務の効率化や簡素化も期待できる。 三条信用金庫(杉野良介理事長・三条市旭町2)では、偽造防止のため副印鑑票の貼付するシールを偽造防止用シールに変更し対応しているが、同システム導入の検討は2年前から始めており、現在は導入の方向で情報収集を行い、導入時期も検討中。 大桃徹企画部部長は「導入にあたっての課題は、お客様が『お待ちになる時間』を増やさずに、いかに早く印影をコンピューターから呼び出し、正確な照合が可能か。コンピュータシステムの安全性・機密性の確保。自店で作った通帳だけでなく、他支店で作った通帳でも同様に早く、正確に照合できるかの3点。しかし日進月歩の勢いでクライアント・サーバー方式により分散処理方式の能力が向上している」と最近ではこの課題も解決できる見通しと話した。 また現在、普通預金は通帳と印鑑があればどこの支店でも払い戻しできるが、定期積金は作成した店のみ。導入後は同様になるように検討している。 協栄信用組合(高橋作衛理事長・燕市東太田)では、情報には目を光らせているが、導入の方向性までは考えていない。大久保重孝営業推進部部長は「ほかの金融機関の様子を見ながら今後、検討していきたい」と話している。 金融の自由化で競争が激化する金融業界。業界全体では、副印鑑廃止に向かっているのは間違いなく、地元に密着した金融機関にとってもその流れを無視するの難しい。 |
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