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経営大学園祭で岡田イオン(株)名誉会長相談役が講演(2002.10.28)
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26、27の2日間、開かれた加茂市・新潟経営大学(蛯名保彦学長)の学園祭「希蝶祭2002〜挑戦〜」で27日、岡田卓也イオン(株)名誉会長相談役を講師に特別講演会「大黒柱に車をつけよ」が開かれ、学生や一般約200人が聴講した。
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新潟経営大学学園祭「希蝶祭2002〜挑戦〜」で開かれた岡田卓也イオン(株)名誉会長相談役の特別講演会
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岡田氏は大正14年三重県四日市市の老舗呉服店「岡田屋」の7代目に生まれ、早稲田大学商学部在学中に第二次大戦の空襲で焼失した店を再興、社長に就任。同業3社で共同仕入れ機構「ジャスコ」を設立、社長に就任して日本屈指の流通グループに育てた。平成13年ジャスコからイオンに社名変更している。
岡田氏はモスグリーンのジャケットに茶のスラックス、小柄で77歳という年齢をまったく感じさせない力強い口調で講演した。
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講師の岡田卓也イオン(株)名誉会長相談役
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テーマの「大黒柱に車をつけよ」は、イオンの前身、岡田屋の家訓。家を支える大黒柱は本来、動かせないものだが「将来の発展が見込めれば、ためらわずに店を移せ」の意味という。
昭和30年代初めに米国の流通業界を視察し、強大な流通網で大量仕入れした商品を、大量に低価格で売りさばく流通スタイルを日本で実現しようと考えた。
「昭和21年に岡田屋を再興して55年間で連結ベースで3兆円、ウォルマートは40年で30兆円。たったの3兆、1割、私がいかに働かなかったか」と庶民には想像すら難しいスケールの話で自身を反省した。
米国のウォルマートの話では「来年は日本に1号店を作るだろう。これから日本もすごい変革をする。日本企業も変革しなくてはならない。オオカミ少年ならぬオオカミ老年と言われることもあるが」。
「日本の政治家も経営者も倫理観の欠如に目を覆うばかり。若者も労働組合も腰抜け」と切り捨て、「しかし、一方ではいいものもある」と1991年に設立した岡田氏が理事長を務める(財)イオン環境財団の話に。
同財団は「環境庁と一緒に中国万里の長城に木を植えようと、3年間で4,600人が10万円以上払って木を植えに行った」と紹介し、21世紀のキーワードは“環境”としていることなど、1時間余り講演した。
このあと質疑に移り、三条市の男性が「三条市ではジャスコ1店と長崎屋、まるよしの3店が閉まり、町の中の大型店がなくなり高齢者などが苦労している。みんな郊外へ出て行くがジャスコの市街地への出店はあるか」と具体的に質問した。
岡田氏は「店の規模、立地など、お客に支持されなかったら滅びる。今は企業の移動がでている。どの業界でも同じ、米国のスーパーマーケットの歴史を見るとわかる。高齢化はひとつのビジネスチャンス。モノを届ける宅配事業が出てくる。すばやく対応していくところが生き残っていく」とひとつのアイデアを提案した。
ほかにも社員教育、プライベートブランドについてなど次々と質問の手が上がった。学生から年配の企業経営者など聴講者は幅広く、ジャスコは身近でも名誉会長相談役となるとまさに雲の上の存在だけに、熱心に耳を傾けていた。
■関連リンク
新潟経営大学
AEON(イオン)
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