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[NUM総合講座レポート(8)]石川陽右(株)イシモク社長(2002.11.20)
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平成14年11月13日 テーマ:「中小企業のこれからの製造業」 講 師:石山陽右先生(株)イシモク社長
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経営大3年長谷川真弓さん
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本日の総合講座は、私どもの新潟経営大学のある加茂市の企業、株式会社イシモクの石山社長をお迎えして行われました。株式会社イシモクは桐という素材を加工し様々な製品を製造している会社です。桐と聞けば桐箪笥を連想しま。株式会社イシモクは確かに桐箪笥を製造してはいますが、何か違うようです。
お話は、桐という素材の可能性から始まりました。桐の持つ抗菌性、軽量性、火事に強い性質(表面が焼けたところに水がかかると耐性を生じる?)、低断熱性、低価格性(高価なのは桐箪笥で、桐材ではない)、環境に優しい性格(15年で育つ)などが紹介されました。こうした素材への探求心と愛着は、考え方や発想の転換(当たり前のことを変えていく)とあいまって、株式会社イシモクの新たな製品開発、市場の創造につながっています。一方では桐のまな板、他方では桐の建材へと進化していっているようです。また、こうした背景には社長の高い感受性があるようです。私たちが当たり前の風景としか感じ得ない加茂の田園風景を「まことに美しい風景」とおっしゃり、それを壊さない美しい建物として現在の社屋を建てられたとおっしゃっていました。現在の不況下では、誰もが愚痴をこぼす中、社長は使い手の喜びを思いながら、自身が喜びを持ちつつ魅力あるものを創造なさっています。
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石川陽右(株)イシモク社長
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さて、今回の社長のお話を聞いて、桐に関して驚くことがたくさんありました。まず、フローリング材に比べて桐は暖かい(冷たさを感じない)事に、サンプルを実際にふれてみて驚きました。そして、柔らかいのにほとんど水を吸収しないこと、火事(水をかけることを前提)に強いこと、へこんでも元にもどること、桐は草であることなど、桐にはとても驚かされました。こうした桐の特徴を、床や家の建材に使うことはとてもすばらしいと思いました。新しい発想の一方で消臭、湿気をとる、虫を寄せ付けないなどの特徴が昔から桐箪笥や金庫の内側に使われているということにも納得しました。また、桐は高価というイメージがありましたが、これだけの付加価値があれば、私は桐が普通の木材よりも値段が高くてもそれは高く感じないように思いました。
私は、社長の桐に対する愛情をとても感じました。とても桐のことを研究していらっしゃって、そのお話をお聞きして桐のすごさを感じました。今回良いお話を伺うことができ、大変感謝いたします。ありがとうございました。
NUM総合講座レポートについて |
新潟経営大学は、9月18日から12月18日まで14回にわたり平成14年度総合講座を開設。各回の講座について同大学学生からレポートしてもらい、掲載する。
総合講座では、産業界で活躍する人を講師に経営の現状や経営戦略などを講義してもらい、学生に地域企業の経営の現実を正しく理解させ、今後の学習計画や人生計画を考えてもらうこと目的とする。
今年度の統一テーマは「企業を活かす・新潟を創造する」。一般の人も無料で聴講できるいわば公開講座で、幅広い受講を呼びかけている。受講申し込みや問い合わせは同大学学務課(直通0256-53-4490)へ。講座の日程は次の通り。
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