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[NUM総合講座レポート(10)]高澤英介菊水酒造(株)会長(2002.12.10)
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平成14年11月27日
テーマ:「私の酒造り経営」
講 師:高澤英介菊水酒造(株)会長
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経営大3年玉野良子さん
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本日の講演は、新発田市にある酒造メーカー菊水酒造の会長をなさっている高澤英介先生です。内容は、先生が大学を卒業し「新発田でしたから2番目」の菊水酒造の後継者となり、県内で朝日酒造に次ぐ2番目の石高を誇る現在までの道のりでした。会長の歩は、加治川の大洪水で蔵が流され銀行に借金をし再建を誓うところから始まります。期限内に返済するにはどうすればいいのか、そもそも伝統産業が現代社会と合致しない部分をどう解決するのか、こうした課題を抱えていたようです。こうした問題は、機械をうまく導入する事による合理化などで達成されていきます。「発酵は人でなく酵母菌がする、酵母菌を120%活かすにはどうするか」、「若い人がやる気になって働くようになるにはどうするか」、「企業にとって消費者がどうかではなく、消費者にとって企業はどうあるべきか」、といったものによっては全く新しい命題に問題を置き換え、さらに、製品と価格の工夫、販路の工夫、ターゲットの工夫といったマーケティングの工夫を重ね、それらを早稲田ラグビー部流の戦い方で実践してきた。もちろん、オイルショック後の狂乱物価によって借金を楽にできた幸運があったものの、消費者側にたった、工夫に満ちた独自の戦い方によって成長してきたことをお話しいただいた。
私は先生のお話をお聞きし、なるほど菊水酒造が成功し、世界に認めらている理由がよく分かりました。伝統産業、職人仕事の既成概念をうち破る合理化への早期転換については、会長のすばらしい先見性があり、なるほど経営者として成功する方はすごいと思いました。また、生活者、消費者サイドに対しての考え方では、合理化を進めながらも、人の心をくんでおられ、人の心を大切にしていて、とても感心しました。200mlの缶や瓶に日本酒を入れるという当時の新しい発想はすばらしいと思いました。
色々と授業で聞いた概念が実際に成功の道具になるには豊かな発想と工夫が必要なんだと感じ、とても良い勉強になったと思います。ありがとうございました。
NUM総合講座レポートについて |
新潟経営大学は、9月18日から12月18日まで14回にわたり平成14年度総合講座を開設。各回の講座について同大学学生からレポートしてもらい、掲載する。
総合講座では、産業界で活躍する人を講師に経営の現状や経営戦略などを講義してもらい、学生に地域企業の経営の現実を正しく理解させ、今後の学習計画や人生計画を考えてもらうこと目的とする。
今年度の統一テーマは「企業を活かす・新潟を創造する」。一般の人も無料で聴講できるいわば公開講座で、幅広い受講を呼びかけている。受講申し込みや問い合わせは同大学学務課(直通0256-53-4490)へ。講座の日程は次の通り。
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