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燕市のデイサービスセンターの死亡事故で安全操作を怠る(2002.12.16)
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15日朝、燕市大曲、通所介護施設「つばめ第3デイサービスセンター」(高橋良範センター長)で、入浴準備中の燕市内の老女がストレッチャーから転落、死亡した事故で翌16日、燕市で開かれた社会厚生常任委員会終了後の協議会で、同センターを運営する社会福祉法人燕更生福祉会(星正吉理事長)が提出した資料を基に市社会福祉課が経過報告を行った。そのなかで、マニュアルに従った安全ベルトや可動柵の操作が行われいなかったことが明らかになった。
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死亡事故が起きたつばめ第3デイサービスセンター
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事故は同市桜町、無職遠藤セツさん(96)がストレッチャーから約1メートル下に転落し、頭を強く打って死亡したもの。
報告によると、遠藤さんは午前8時43分に送迎車で同センターに到着。血圧や体温などの健康チェックを行い、ベッドをストレッチャーわきに移動して介護員1人が遠藤さんをストレッチャーに移動。紙おむつ内を処理し、清拭布を後の棚から取ろうと後を振り返って目を離したとき、遠藤さんは寝台の左側から転落した。
遠藤さんは30秒間ほど意識を失い、すぐに同センターの看護婦を呼び、顔面蒼白なため酸素吸入をし、救急車を要請。遠藤さんは「痛いよ。痛いよ」と言い、意識は回復したが燕労災病院に運ばれた後、11時19分に死亡を確認した。
同センターの通所介護マニュアルでは、要介護者をストレッチャーに移動した時点でストレッチャーに取り付けられている転落防止の2本の安全ベルトを掛け、両側にある可動柵を上げなければならなかったが、このときは安全ベルトを2本とも掛けず、可動柵も左側の片方しか上げていなかった。
2年ほど前に吉田町の特別養護老人ホーム「太陽の園」でも同様の事故が起きたのを契機に、燕市内の通所介護を行なう福寿園、白藤の里、第2デイサービスセンター、第3デイサービスセンターで「通所介護マニュアル」を作成していた。
転落防止については「安全管理マニュアル(入浴編)」の「ストレッチャーの取り扱いを誤ると」の項目にあり、ベルトは必ず使用、てすり・バーを忘れない、ストレッチャー上の利用者から目を離さないなどを明記している。
同センターの設置主体は燕市で、運営は社会福祉法人燕更生会。介護を必要とする人が日中に通い、食事や風呂、排泄サービス、レクリエーションの機能訓練などのサービスを行っている。
定員は一般型30人、痴呆型10人。現在は105人の利用者が、週6回から月に1回、要介護度などに合わせて利用している。職員は17人。
遠藤さんは毎週日曜に入浴サービスを利用していた。体が動かない人でも寝たまま入浴できる浴槽を使っており、ストレッチャーはそのための要介護者を移動させる簡易ベッドで、浴槽と連結している。
転落防止のためもあり、ストレッチャーの両側には可動柵があり、体を固定するベルトを2本備える。
翌16日、同センターでは始業を30分早めて午前7時45分から通所にかかわる職員30人ほどを集め、高橋是司施設長が状況報告と事故防止について話した。
今回の事故について高橋市長は「お亡くなりになった遠藤さんには心からご冥福をお祈りいたします。今後は2度とないようにマニュアルをもう一度確認し、ちょっとした油断も起こさないようにみんなで注意し、一つひとつきちっとやっていく」と沈痛な表情で話した。
同時に「私の友人の母でもあった」と数年前に亡くなった遠藤さんの長男とは無二の親友で、通夜には出席し、冥福を祈り焼香したいと話している。
また、業務上過失致死障害の疑いで捜査している。
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