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spacer三条市資料館で岩田正巳スケッチ素描展始まるspacer(2003.1.27)

三条市歴史民俗産業資料館(羽賀吉昭館長)は、25日から3月30日まで同資料館で岩田正巳スケッチ素描展「三条市名誉市民第1号 夢を描いた日本画家」を開いており、現代の日本画壇に名を残した岩田正巳画伯(1893〜1988)が、そこに至るまでの積み重ねの跡を公開している。

3月30日まで三条市歴史民俗産業資料館で開かれている岩田正巳スケッチ素描展

3月30日まで三条市歴史民俗産業資料館で開かれている岩田正巳スケッチ素描展

2月23日まで前期、3月1日から後期と分けて同資料館所蔵の岩田画伯の作品を展示しているもので、展示の中心となる素描は前、後期でそっくり展示替えする。

前期は素描21点を展示している。画帳に鉛筆で線を描いた素描が中心。ボタンやチューリップなどの花、観音像を描いたものが多く、岩田画伯としては珍しい裸婦や玉虫厨子にある絵画を模写したものもある。

岩田画伯の写真と愛用の画材

岩田画伯の写真と愛用の画材

エビを描いた素描には「ハサミ三本」「コノ形ノモノ二本」と書き添えてある。ハチをいろいろな角度から描き、マツボックリがなるマツは細いマツの葉1本1本まで正確に描き込んでいる。

これらの素描は、作品を手掛けるための材料となる。松岡映丘(1881〜1938)の門に入って新興大和絵運動に参加した岩田画伯。時代考証の研究にも労を惜しまず、作品に反映させた岩田画伯の強いこだわりの一端を見ることができる。

ほかにも、その後の岩田画伯の活躍を決定づけたともいえる横山大観、安田靭彦、中村岳陵ら高名な画家と名を連ねて制作に参加した『肇国創業絵巻』(昭和15年)の複製、法然上人絵巻の模写、『さえずり』などの完成作も展示。また、岩田画伯を撮影した写真とともに愛用した画材も展示している。

地元三条市出身作家の中でも、岩田画伯の人気は別格。素描展が始まって最初の日曜となった26日は入館者に切れ目がなく、没後15年でも岩田作品に寄せる熱い市民の目は変わっていない。

月曜、月末日、祝日の翌日は休館、それ以外は午前9時から午後4時半まで開館。入館無料。

巧みにハチを描き分けた素描
注釈を書き添えたエビの素描 岩田画伯には珍しい裸婦 巧みにハチを描き分けた素描 『肇国創業絵巻』(複製)に岩田画伯が描いた部分

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