20日開かれた燕市議会の議長選挙で、赤塚功市議が議長に就任した。県央東部合併に伴う法定協議設置の賛否をめぐり、13日の臨時会では議長当選者が次々と辞退し、結局、6回も議長選挙を繰り返しても議長が決まらないという異常事態に。賛成派の赤塚市議は13日に4回、就任を辞退しており、賛成派はこの日、大山治郎市議への投票に一本化を図っていたが、20日朝になって赤塚市議が議長就任の意欲を見せるどんでん返しで、しかもくじ引きによってそれが実現。賛成派の間にしこりを残しそうだ。

20日の燕市議会の議長選挙で赤塚功市議が議長就任

午前9時32分に開会。議長選挙を行った結果、赤塚市議と大山市議がそれぞれ10票の同数となり、くじ引きの結果、赤塚市議が当選のくじを引いた。これまで辞退を繰り返した赤塚市議だが、今度は就任のあいさつに立った。

4度の辞退から一転、市議会議長に就任した赤塚功市議

赤塚市議は「一言、就任のごあいさつを申しあげます。議員の皆さま方のご推挙をいただき、燕市議会議長の養職に就任させていただくこととなりましたことは、身に余る光栄に存ずるしだいであります。私は議員経験も浅く、浅学非才でありまして、その器でないことは自分がいちいばん良く承知いたしておりますが、ここに皆さまのご推挙を受けましたうえは、身を挺（てい）してそのご厚情に対し、報いするよう覚悟を新たにしているところであります」と述べた。

賛成派は、前日19日に開いた会合で大山市議に投票を集中させて議長にしようと意思統一を図った。ところが20日朝になって一転した。午前7時半に赤塚市議は自身が当選したら議長職に就く決意を所属する会派、燕和会の田野隆夫市議に連絡。さらに8時ころ、同会派会長の大山市議と田野市議の2人が赤塚市議の自宅を訪れ、赤塚市議の報告を受けた。

赤塚市議は再三、議長に当選しながら辞退したことで18日夕方、支持者から電話で「なんで当選したのに引き受けないんだ。大山さんも赤塚さんも賛成派で、どちらがなっても（法定協設置の議決）は同じでないか」と言われて考えたと心境の変化を説明する。

賛成派の市議は議会開会前の午前8時50分ころ集まり、赤塚市議の考えを伝えたが、賛成派としては大山市議に投票することは変わらなかったようだ。赤塚市議は「自分のことを話しているということで少し遅れて9時5分ころ入った。会としては10票を大山さんに入れた」と話していた。

赤塚市議の議長就任について、反対派の星野義則市議は「よかったですよ。私たちは赤塚さんに入れていましたから」と満足する一方、大山市議は「混乱を避けるために、当選したらどちらでも受けようと話した」と言うものの、赤塚市議の行為には賛成派から批判の声があるのも事実。

副議長に就いた大岩勉市議

これで賛成派と反対派が10人ずつに二分した市議会は、議決権をもたない議長に賛成派が就いたことで、数の上では賛成派が上回り、法定協設置の議決が危ぶまれる。

高橋甚一燕市長は「まずは議会が正常に動いてもらわないと困るというのが本音。提案しているものもいっぱいある。合併は合併。6月の提案の見送りについては、そうならないように努力したい」と話した。

賛成派の大山市議は西蒲原郡や吉田町の動向に注目し、広域的な合併に取り組みたいとして「流動的な考えのなかで数が1つ減ったというだけで、努力しなければならない。市長からも打開する努力をしていただきたい」と期待する。

数的優位に立った反対派の大岩勉市議は「議会を混乱させるつもりはない。20人のチームでつくるのが議会。賛成派からの議長で調和が取れてよかった。かえって話は進むのでは」と話した。

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