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三条、燕、加茂の消防職員が心臓突然死と除細動器で研修(2004.2.19) |
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三条地域消防本部(堀内俊夫消防長)は18日、救急研修会を開き、心疾患の専門医として著名な広川陽一富永草野クリニック院長を講師に「心臓突然死とAED(自動体外式除細動器)について」のテーマで三条、燕、加茂の3消防本部職員110人が聴講した。
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三条地域消防本部が燕、加茂地域の消防本部に呼びかけて開いた救急研修会
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初動体制の充実を目的に消防隊と救急隊の連携、全職員に対する応急手当指導員の養成など、内部の充実のため毎年、三条市医師会に講師を依頼して救急研修会を開いている。
今回は救急医療の現場で初期対応が重要な心疾患をテーマにしたことから、同じ現場で働く燕市と加茂地域の消防本部にも呼びかけ、それぞれ24人、10人と三条地域消防の76人が受講した。
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会場をぎっしり埋めた職員を前に広川院長は「これだけたくさんの人に集まってもらうと、話にも熱が入る」と、突然死の定義や原因から話した。
突然死の原因は半分が心疾患で、その多くは致死的心室性不整脈という心室細動が起こる。心室細動を起こす心臓病は、心臓に血液が行かなくなる狭心症や心筋梗塞(こうそく)、心臓の筋肉が厚くなる肥大型心筋症や拡張型心筋症などが多く、病気の注意点などを患者の実例もまじえて話した。
心室細動の治療は、電気ショック以外に手はなく、その処置が1分遅れれば救命率は10%落ち、10分たったらまず助からない。5分以内の電気ショックが必要で、救急車が到着まで平均11分の日本では生存率はわずか3%。「皆さんがどんなに優秀でも、どんなに頑張っても3%を超えることができない」と現状の限界を指摘した。
国内では電気ショックに使う除細動器の使用は、医療法で医師や救急救命士、航空機の乗務員に限られているが、欧米では一般人でもAED(自動体外式除細動器)が使用でき、米国の生存率は30%に達し、国内でも一日も早い普及に期待されている。
受講した消防職員は、「あらためて除細動の必要性を感じた」とメモを取りながら熱心に聞いていた。
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