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中国急成長の需要急増に伴う原材料高騰で緊急講演会(2004.2.24) |
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三条商工会議所鐵工部会と三条商鐵組合は23日、緊急講演会を開き、福沢伸哉新日本製鉄(株)新潟支店建材室長を講師に「今、鉄鋼業界では何がおこっているのか」のテーマに鋼鉄など原材料高騰の現状を聴いた。
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23日開かれた三条商工会議所鉄工部会と三条商鉄組合の緊急講演会
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鋼材、土木建築、スクラップなど鉄鋼業界に関連する同部会員と組合員ら66人が参加。中国の特需の影響などにより昨年暮れころからの鉄などの高騰を受けて、緊急の講演会を開き、中国の影響やなぜ値上がりが続くのかなど鉄鋼業界の具体的な現状を参加者は熱心に聴いた。
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講師の福沢伸哉新日本製鉄(株)新潟支店建材室長
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福沢氏は「皆さん方も、お客さまに(値上がりを)説明されるのだろうと思う。その参考になれば」と始めた。中国の話は昨年11月末ころから説明したが12月10日ころまでは反応がなかった。その後、少しずつ興味をもたれ、1月末に軟鉄5,000円の値上げ、きょうも12,000円値上げの発表があり、ますます拍車がかかったと話した。
2008年に北京五輪、2010年に上海万博が控える中国は、5年後の東京五輪、8年後の大阪万博を前にした日本の昭和35年ころの成長時期と似ている。2000年以降工業化の進展により粗鋼需要量の増加が加速し、鉄鋼石、原料炭、コークス、スクラップ、穀物の輸入の増加や価格の急騰などを資料に基づいて説明した。
また、中国向けの荷動きなどで海上輸送の活発化による運賃の上昇や原材料を掘る建設機械や運ぶ船の不足から国内でも1973年のオイルショック以来の造船受注量の最大化していることなど国際的に鉄の原材料が高騰していることを話した。
そして、需要家は、価格重視から数量確保への方針転換、営業段階からの材料確保、材料費上昇分の受注価格への転嫁が必要で、今回の鋼材価格高騰への対応は単なる調達問題ではなく「目先の採算は赤字が当然。赤字額の早期確定、次の物件でのカバーによる期間収益の確保を」と経営問題としてとらえないといけないと呼びかけた。
■関連リンク
Nippon Steel Corporation(新日本製鐵)
三条商工会議所
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