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三条資料館で三条市の名誉市民、渡辺義雄氏の写真展示(2004.3.5) |
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三条市歴史民俗産業資料館(羽賀吉昭館長)では、6日から28日まで同資料館で開館15周年大所蔵品展第4部「昭和に活躍した三条の芸術家」の後期展を開き、三条市の2人目の名誉市民となった写真家、故渡辺義雄氏(1907〜2000)の作品を展示している。
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28日まで三条市歴史民俗産業資料館で開かれている開館15周年大所蔵品展第4部「昭和に活躍した三条の芸術家」の後期展、展示されている故渡辺義雄氏の作品展示
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渡辺氏は三条町(今の三条市)の生まれで、東京写真専門学校を卒業後、建築写真の第一人者として知られ、昭和48年に伊勢神宮の遷宮を撮影した写真集『伊勢神宮』はその金字塔。勲三等瑞宝章を受章、東京都美術館初代館長に就くなど、晩年はわが国写真界の重鎮として活躍した。
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「ローマ文化宮殿」イタリア
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「左官屋」ソ連
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「迎賓館」
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同資料館では、渡辺氏の展示スペースを常設しているが、今回は所蔵作品のなかから「写真で旅!」をテーマにピックアップし、イタリアからロシア、日本の順に渡辺氏が撮影した各国の写真を22点を展示している。
イタリアとロシア(当時はソ連)の写真は、今からほぼ半世紀前の昭和31年、コロンボで開かれた世界平和評議会にアジア連帯文化使節団写真家代表として参加したときに歴訪、撮影した。
ローマ文化宮殿やソ連の百貨店を撮影した作品は、その後の渡辺氏の建築写真家として名声を予感させ、フィレンツェの塔の外側に巻き付くらせん階段を下りる男女や左官の道具を手に通りを歩く女性などは晩年の渡辺氏の作風しか知らない人には新鮮に映る。
日本の写真は迎賓館と伊勢神宮。限られた人にしか中へ入ることが許されないそれらの建造物を解像度の高いシャープな写真に仕上げ、全倍から全紙サイズの作品の大きさも相まって圧巻だ。
また、昭和7年から8年にかけて写真誌『フォトタイムス』に掲載した渡辺氏のシリーズ作品「カメラウヮーク」の3号分の複製も展示している。戦前の都内のダンスホールや銀座を撮影した時代背景や組み写真として実験的な作品づくりに挑む姿勢が興味深い。
毎週月曜と月末日、祝日の翌日は休館、それ以外は午前9時から午後4時半まで開館。入場無料。
■関連リンク
三条市歴史民俗産業資料館
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