全体としてバラエティに富み、被写体も片寄ることなくとてもまとまりの良い今年の写真部門といえます。応募数で前回より若干少なくなりましたが、作品の内容は充実して展示も見ごたえするものと思われます。
・市展賞「良い顔してよー」田中博子
この作品は、大胆で斬新な構図が見事な表現となりました。写真のパースペクティブ(空間処理)は作者の感性の良さを物語っています。人物を小さく配したカメラアイは特筆に値します。モダンな秀作といえます。 ・新潟日報美術振興賞「〆縄押合祭り」青木新平 なかなか良いシャッターチャンスの作品です。祭りのざわめきと音が聞こえてくるような迫力満点の作品といえます。水しぶきの描写も見事です。 ・奨励賞「燃える男」小野里透 画面中央の人物が見事に表現され、祭りの雰囲気を一層盛り上げています。背景がストロボで省略されたのも効果的です。 ・奨励賞「冬の漁港」田中勲 実に見事な大作です。出雲崎の町並みが、俯瞰撮影により雪景色の素晴らしい情景となりました。渋い色彩表現も作品に重みをもたらしたものと思われます。 ・奨励賞「若者」樋口秀雄 若者の明るい表情がとてもさわやかで見事な人物写真です。汗や泥の質感描写も素晴らしく、生きたポートレイトとなりました。 ・奨励賞「朝のファンタジー」遠藤貴行 とても幻想的な作品です。レインボーとハサ木のシルエットは見事な表現となりました。なんとも美しい風景作品です。 ・奨励賞「彩華」山_智正 蘭の花を各々の美しさの中で表現し、組写真にレイアウトすることで更にその蘭の美しさを増幅させたカメラアイは見事です。 ・奨励賞「祈る」吉田朝秋 人物を画面に小さく入れることで、背景の描写を含めて見事に「祈り」の雰囲気が見るものに強く伝わってきます。シャープな画面も効果的で、厳しい修行の作品となりました。
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