三条市社協は台風23号被災地へのボランティア派遣を中止、地震被災地の小千谷市を調査

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(2004.10.26)

三条市社会福祉協議会（坪井正康会長）は、台風23号で被災した兵庫県豊岡市へボランティア派遣を行う計画だったが、新潟県中越地震が発生したため中止する一方、新潟県中越地震と豊岡市への義援金の受け付けなどを始めた。

小千谷市社会福祉協議会前で建物の非常階段が倒れ、下敷きになった車

市社会福祉協議会では、ボランティア派遣に先駆けて23日、岩本直久市社会福祉協議会局長をはじめ先遣隊4人が車2台に分乗して豊岡市へ出発していた。午後6時過ぎに福井県の手前で地震発生を知り、岩本局長ともう1人は三条市へ引き返した。

帰路は、富山県の朝日インタで高速道路が通行止めになり、国道8号線の通行止めカ所を迂回（うかい）し、7時間近くかけて翌24日午前1時ころ三条市に戻った。

アスファルトに亀裂が入り、電柱が傾く小千谷市内の道路

岩本局長の話では、上越市付近から停電のために信号機も消えて真っ暗で、道路の至る所に段差や亀裂があり、あちこちで通行止めを知らせる消防団や警察官が立っていた。

壊れた住宅もあり、長岡大橋を渡るときには「ここで地震が来たらどうなるだろう。早く通り過ぎなければと思った」と岩本局長。長岡大橋を渡ってからは旧国道8号線を順調に抜けて三条市へたどり着いた。暗闇の中で唯一、刈羽村の原子力発電所の鉄塔だけに電気がついていたのが印象的だったと言う。

小千谷市社会福祉協議会の内部はめちゃくちゃに

明けて24日は、被災地で必要なボランティアを確認、調査するため、さっそく被災地へ向かい、2,000人以上が避難する小千谷市総合体育館となりの小千谷市社会福祉協議会を訪れた。

小千谷市社会福祉協議会前の建物の非常階段が倒れて駐車してあった車を押しつぶしていたり、道路の亀裂や傾いた電柱と被害の大きさを目の当たりにした。付近の住宅では庭にシートを敷いて休んでいる人、ひとりで歩く高齢者に「言葉にならなかった」とも。

市社会福祉協議会では、ボランティア派遣を中止とした兵庫県豊岡市への義援金の受け付けを行っており、あわせて新潟県中越地震の被害地への義援金も受け付けることにした。

地震発生時刻を指したまま止まっている小千谷市社会福祉協議会の時計

26日午後4時までに新潟県中越地震へは25件の237,635円、豊岡市へは12件の167,000円の善意が寄せられている。義援金を持参する人は「テレビを見て、いてもたってもいられなくなって」「水害で助けてもらった。何かの手伝いになれば」と7・13水害のときの恩返しと話す人もいる。

市社会福祉協議会では新潟県中越地震の被災地への市民の自主的なボランティア参加を呼びかけるとともに、地震被災地への救援物資、救援金についても協力をと呼びかけている。各地のボランティア活動や救援物資の問い合わせは市社会福祉協議会（電話：0256-33-8511）へ。