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マルソー(株)が地震被災地へ救援物資輸送のボランティア(2004.10.29) |
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7・13水害で三条市内の避難所への物資の配送など物流の面で協力したマルソー(株)=渡辺雅之代表取締役社長・三条市月岡=は、新潟県中越地震の被災地に救援物資を無料で運ぶボランティアを行うとともに、避難所への物資の供給の遅れや混乱を懸念している。
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災害被災地のロジスティックスの必要性を訴える鈴木マルソー(株)副会長
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同社に地震の被災地へ救援物資を送りたいという問い合わせが相次いだことなどから、救援物資を被災地まで運び届ける。平日の午前9時から午後5時まで被災地へ送りたい救援物資を受け付ける。ただし、宅配便などでの同社への送付は受け付けず、本社に直接、持ち込まれたものだけを受け付ける。 受け付ける救援物資は、簡易かいろ、燃焼式のストーブと灯油、クリーニングした毛布や布団、新品の手袋と靴下、寝袋、マットレス、加工食品、飲料、避難所で読める本や子ども用の絵本など書籍類。7・13水害のときには、使えない品物もあったため、受け付けで内容を確認し、持ち込んだ人の名前や住所を明確にする。 一方で、物流のプロフェッショナルという立場から同社の鈴木守男副会長は、災害時は「まず、被災者や避難所に対する物流の補給基地が必要」で、集まる救援物資を品目別に整理する場所やどこに何が必要かと、出入り口の両方を把握する機能が必要になると言い、今回の地震でも「ロジスティックス」の欠如を心配する。 ロジスティックスは軍事用語で兵站(へいたん)の意で、最近では企業での物流の合理化の手段の意味で使われ、必要なときに必要なものを届けられる、物流を合理的に管理するシステムを指す。 7・13水害で三条市では当初、三条市厚生福祉会館を避難所と同時に救援物資の受け入れ場所にしたため、物資の仕分け作業ができなかったが数日後、避難者は別の避難所に移動してもらい、厚生福祉会館を完全に物流基地とした。 鈴木副会長は、地震のニュース映像で避難者が通り過ぎる横に積また救援物資、市役所前に積まれた物資の山を見ると、当初の三条市と同じ状況ではと懸念する。
さらに7・13水害から3カ月余りの地震だが、三条市の教訓が情報化されていないことを残念がり、今後、見直されるであろう災害対策マニュアルでは、行政だけでなく、物流や建設の専門家の意見も取り入れるよう期待している。救援物資の送付に関する問い合わせは同社(電話:0256-34-2621)へ。
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マルソー株式会社
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