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[NUM総合講座リポート・10/25]明道章一和平フレイズ株式会社営業三部部長 (2005.11.6)
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平成17年10月25日
テーマ:「地域ブランドとナレッジネットワーク」
講師:和平フレイズ株式会社 営業三部 明道章一部長
新潟経営大学 4年 今井 哲也
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新潟経営大学4年今井哲也さん
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今回の総合講座は、燕を代表されるハウスウェア製品を販売、企画をしておられます明道章一様でした。
燕の工業の歴史は江戸時代、この地方で頻発していた洪水を防ぐため鍛治(和釘)ル作りから始まり、その後洋釘の輸入で燕一帯は和釘の生産が減少し、和釘の技術を活かす事でキセルや銅器への変換を経て、燕の金属洋食加工業の礎を築きました。
六十年代から円高になり、燕で金属洋食器の八割を海外へ輸出していた産業が先細り、明道様の代々家業であった煙管など金属洋食器はステンレス製品へと変わっていきました。
そして、明道株式会社、代表取締役社長だった明道様は、メディアや人のカリスマ性をハウスウェア製品にコラボレートし販売戦略を立ててきましたが、少子化による市場の縮小や、生活の多様化や核家族化からくる食生活に求められた個性などに、今後よりよく対応するため此度、同業種企業である和平フレイズと合併により新しい役職に就かれました。
今、市場環境では輸入製品の品質向上化と低価格によって巻き込まれた国内製品の価格下落、所謂デフレスパイラルに陥っており、また、外資企業の参入によってメーカーや問屋を中抜きした大規模の品数販売や一括生産のため中小企業への圧迫や、POS管理による売れ筋商品ばかりの販売で、品種の幅が減少し新たな需要に上手く対応が出来ないなど、日本経済の現状から逸脱するために明道様は販売戦略を立てられています。
そして、それにはMD(マーチャンダイジング)の必要性を示唆していました。
MDとは、新規市場と需要の創造が必要であり、市場が何を求めているのかを理解し販売する事であり、それは今まで小売店が求めていた製品開発から、市場(お客様)が求めている物を作ることが必要です。
それには商品開発能力、商品の品質管理、販売管理機能、物流機能を確立しそれを基盤として商品ブランドを構築していくことが必要です。ここで言うブランドとは、作り手と消費者との共通認識です。ブランドを構築するために実践しているのが、カリスマと呼ばれる主婦や、世界的なシェフに意見を聞いて、本当に今の先端のニーズに合った製品をつくるというマーケティング、マーチャンダイジングです。
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明道章一和平フレイズ株式会社営業三部部長
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そして、この戦略に重要なのが今回のテーマでもあり、地域をあげての企業作りにもなる、地域ブランドとナレッジネットワークです。ブランド力というものは、零から作ろうとするには並大抵なことではありません。素材の良さはもちろん、商品自体の付加価値が要求されます。
そこでまず、付加価値や素材の良さとは何であるか、それは先ほどにも書いたカリスマ性というネームバリューを利用し、そこに地域の複数社がそれぞれ最も自負している商品を売り出すということです。ここでナレッジネットワークを構築し、お互い弱い部分を補い合うことで延いては地場企業の活性化を促し、地域全体でのブランド構築を明道様は目指しておられます。
二十一世紀の今、日本中は豊かになり物は溢れ、安さで物を売る時代は終わりを迎えようとしています。今、求められているのは、個性を大事にしたマーケティング戦略の考え方です。人の贅沢を形にしてあげることで、新たな市場は切り開かれて行くのではないでしょうか。
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