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火災の類焼から半年余り、復元された三条市丸井今井邸の年明けの使用再開に向けて大掃除 (2006.12.27)
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6月22日の火災で類焼してから半年余り、復旧工事が終わった三条市丸井今井邸で27日、丸井今井邸保存会(加藤昇会長)を中心に市民約20人が参加して大掃除を行い、来年1月5日の使用再開に向けて市民の願いと力を結集して復元された丸井今井邸に新しい息吹を吹き込んだ。
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復旧工事が終わり、来年1月5日の使用再開に向けて大掃除が行われた三条市丸井今井邸
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大掃除は午前9時半から行った。火災前よりも新しくなった印象で、参加者は「きれいになりましたねー」と口々に話し、自然に顔がほころんだが、いざ掃除を始めると、ぞうきんを絞ったバケツの水はたちまち真っ黒。「ほこりはすごいですね」と、忙しく動いていた。
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焼失した2階の一室
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焼失して吹きさらしだった2階の廊下部分も見事に復元
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畳を張り替えた1階の広間
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土台を直してゆがんでいた1階の廊下は平らに
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丸井今井邸宅の当主だった今井藤七の銅像は何を思っているか…
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再び明かりのともった正面の玄関
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加藤会長は、「原状復元を前提に考えていたが、予想以上にきれいになって驚いた」。部屋の形が変わったところもあり、建物の機能性が向上したと言い、「きょうの大掃除をはじめ、大勢の人が(今井邸に)関心をもっていてくれたことがあらためてわかり、ありがたく、感謝でいっぱいです」と感激していた。
丸井今井邸は6月の火災で類焼、屋根や2階の一部を焼失、1階は水損した。老朽化していることもあり、存続が危ぶまれたが、復旧を願う市民は多く、工事費用への寄付もあって三条市は復旧工事を行い、今月25日に工事業者から引き渡しを受けた。
屋根瓦はすべて新しくし、焼失した2階部分の一部は外壁も新しくしたが、古色塗装。内装は2階の床板や窓を新しくしたが、カキの渋を塗るなど、古い部分と違和感がないよう配慮した。
壁は1、2階とも廊下は白、部屋はベージュ系に塗り替えた。畳や照明も新しくし、障子も張り替えた。あわせて土台も直したので、ゆがんでいた廊下の床板が平らになり、雰囲気はそのままに明るくきれいに生まれ変わった。
また、五十嵐川の河川改修で取り壊した古い住宅から、梁(はり)や柱、手すり、ドアなどを譲り受けて使った部分もあるという。
復旧工事費は、補正予算で2,400万円を計上したが、竹山建設(株)が約2,044万円で請け負った。それとは別に、材木を三条市木材業組合が寄付して竹山建設が床の張り替えを行った。その工事でシロアリの発生がわかり、三条害虫(株)がボランティアで駆除作業を引き受けた。
さらに、ブンキョウデザインホームがカーテンなどを寄付、ニシカタクリーニングが無料で火災後のカーペットなどをクリーニングを行うなど市内の企業も協力。復旧工事に充ててほしいと三条小学校児童会、第三中学校生徒会をはじめとする団体や企業、個人17件から合わせて約90万円の寄付も受けた。
火災の悪夢から市民の知恵や汗、力の結集で再生、新たな息吹を吹き込まれた丸井今井邸。「禍を転じて福となす」の言葉を見事に実践して見せたシンボルと言える。
使用再開の1月5日は、特別なイベントは行わないが、午後1時から同保存会が国定勇人市長など市関係者を招き、礼を言う考え。こけら落としは1月7日午前9時から午後3時まで行われる三条市宗編流同好会主催の今井邸修復完成「祝賀茶会」で、前売り1,000円、当日1,200円の茶席券を丸井今井邸向かいの小川洋装店で販売している。
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