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日韓共同ドキュメンタリー映画制作に三条市出身の映像制作コーディネーターが参加(2006.2.7)
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靖国問題をテーマに日韓に横たわる歴史認識の大きな違いを浮き彫りにする日韓共同ドキュメンタリー映画『あんにょん・サヨナラ』。その上映委員会は作品を自主上映する人や団体を募集しており、映画制作に携わった三条市出身の難波幸司さん(30)=韓国ソウル市=は、故郷の三条や県央地域での上映会開催にも期待している。
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『あんにょん・サヨナラ』の制作に携わった三条市出身の難波幸司さんと作品のポスター
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『あんにょん・サヨナラ』は昨年、日本の戦後60年、韓国の植民地解放60年を記念して両国の民間団体の企画で制作され、第10回釜山国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞やソウル独立映画祭2005大賞を受けている。
主人公のイ・ヒジャさんは戦時中、日本軍に徴用され、中国で戦死した父をもつ韓国の女性。父の死について日本政府から何の通知もなく、詳細を知ったのは90年代に入ってから。さらに遺族の知らないうちに靖国神社に合祀(ごうし)されていた。
父を奪った日本を恨み、靖国神社合祀の取下げ訴訟も行っているイ・ヒジャさんの悲しみを通して日本と韓国の辛い過去に向き合い、平和な未来に向けてどうすべきか考える。
作品制作に参加した難波さんは、ソウル市に住むフリーの映像制作コーディネーター。実家は三条市塚野目で、23歳のときに「世界が見たい」と市内のプラスチック製造会社を退職し、ワーキングホリデーを利用してオーストラリアへ渡った。
そこで知り合った韓国の大学生などの深い歴史観にふれ、「自分の無知を恥ずかしく思ったし、悔しかった」と難波さん。それらをきっかけに翌年、韓国に渡り、IT関係の会社や翻訳の仕事を経て今の職業に就き、さまざまな出会いから作品制作に加わった。
作品は昨年10月から日本や韓国で上映されており、日本では約20カ所で上映され、今後も25カ所での上映会が予定されているが、県内での上映予定はまだない。
難波さんは、靖国神社は日本でも盛んに報道されるが、同世代の日本人は戦争の本質に対する理解が浅いのではと憂いており、自分の家族や同級生など、故郷の身近な人にも伝えなければという使命感から地元での上映会実現に対する期待は大きい。作品や上映会の問い合わせは難波さん(Eメール:kojinamba@hotmail.com)へ。
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