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燕市閉市記念で「プロジェクトX」のキャスター国井さんが講演(2006.2.19)

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燕市は、18日午後7時から燕市文化会館で燕市閉市記念「国井雅比古文化講演会」を開き、NHKのテレビ番組「プロジェクトX」のキャスターだったアナウンサー、国井雅比古さん(57)を講師に「プロジェクトXで見る挑戦者たちの思い」のテーマで話し、市民480人が聴講した。

18日、燕市文化会館で開かれた燕市閉市記念「国井雅比古文化講演会」

18日、燕市文化会館で開かれた燕市閉市記念「国井雅比古文化講演会」

国井さんは、テレビと同じ低音のソフトな語り口で、閉市記念の講演に「寂しいような気もしますが、新生燕市と考えれば新しい出発点に立つこと」と始めた。

講演する国井さん

講演する国井さん

昨年で「プロジェクトX」が終わり、自身の定年とも閉市を重ね、「プロジェクトXを振り返るのではなく、先人の歩んだ道のなかに、何かこれから目指す方向性があるのかないのか私なりに考えたことなどを紹介し、参考になれば」と本題に入った。

番組は6年間、続いたが、「実はこんなに続くと思わなかった」。番組制作は1本に約3カ月かかり、宣伝できない公営放送で社名や商品名を扱う課題など、具体的な放送内容に笑いもまじえて話した。

スタジオに主人公を呼ぶスタイルは3本目からだった。番組に華やかさをと女優を出演させた1本目を放送前に意見を聞いた主婦から「女優の必然性がない。主人公にもっと話しがあるはず。スタジオに呼んでもっと話しを聞いてほしい」と指摘されたのがきっかけだった。

国井さんは当初、いい場面はVTRにあると反対だったが、実際に出演した主人公は、スタジオで初めて見るVTRに声を詰まら、体を震わせ、号泣しと、話の内容以上に声や表情が語った。「昔のことを話してもらうのだが、今、どう語るのかということがスタジオの役割。スタジオこそドキュメンタリー」と思い知らされた。

「なまじっか実績があるとだめ。もっと素直に、すごいからあの人の話を聞いてみたい。それだけ」、「消費者が本当に何を求めるか、行政であれば市民が本当に何を求めているかわかればいい」、「もっと素直にもっと素直に、これやってほしいということに耳を傾けることができれば、新しいものができてくる」と国井さんは番組から、主人公の挑戦者たちから教えられたことを語り、受講者は熱心に聴き入っていた。