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映画『瞽女goze』制作で監督とシナリオライターが三条市長を表敬訪問(2006.2.25)

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三条市名誉市民で昨年4月に105歳で亡くなった最後の越後瞽女(ごぜ)、小林ハルさんの生涯を描く劇場用映画『瞽女goze』を企画、制作する映画監督の瀧沢正治さん(57)=東京都江東区、(有)キッズ代表=とシナリオを手がける椎名勲さん(59)=東京都西東京市=が24日、高橋一夫三条市長を表敬訪問し、三条市内での撮影など映画の制作に協力を求めた。

左から椎名さん、瀧沢さん、高橋三条市長

左から椎名さん、瀧沢さん、高橋三条市長

映画は、現代を生きる30歳代男性のディレクターが、白寿の99歳を迎えたハルさんに明治からの人生をインタビューするという形式で進行。あわせてディレクターとその家族も描き、瞽女の人生と現代を生きる若い夫婦の人生を重ね合わせる一方、美しい四季や山河のすばらしさなど、日本の自然も織り交ぜる。

企画、制作の映画監督瀧沢さん

企画、制作の映画監督瀧沢さん

若いころのハルさん役は、米国映画「SAYURI」にも出演した工藤夕貴さん。99歳のハルさん役は北林谷栄さんと、多彩な顔ぶれを構想している。

瀧沢さんと椎名さんは、小林ハル瞽女唄保存会の三条市東三条1、野崎久次さん(80)と連れだって市役所を訪問。瀧沢さんは5年前のテレビ番組でハルさんを知り、盲目で厳しい芸の修行に耐え、人生の荒波にもまれながら逆境を明るさに転化したハルさんの生き様に感動し、映画化を熱望したと制作に至る経緯を説明した。

映画では、浄瑠璃や歌舞伎と並ぶ日本の伝統芸能のすばらしさやそれを支える日本人の心の美しさを国内、さらに海外にも紹介したいとし瀧沢さんは言い、公開前にベネチア国際映画祭に出品したいと語った。

シナリオの椎名さん

シナリオの椎名さん

瀧沢さんは「単なるつらい映画ではなく、生きる楽しさ、明るさ、夢、勇気を出したい。子どもから、おじいちゃん、おばあちゃんまで見てもらえるような映画にしたい」、椎名さんは「瞽女唄で世界中の人に喜びや楽しみを。小林ハルさんの人格を通じてすばらしい人間ドラマを伝えたい」。

また、できるだけスタジオでの撮影ではなく、現地ロケを希望しており、三条市内での撮影に市の協力を求めた。高橋市長は「できることは、何でも協力します」と約束し、「ハルさんだけではなく昔の母親は一本立ちしていくための愛情をかけたが、今は逆の愛情。今は、生きていくための教えを子どもにしてやっていないような気がする」と作品の趣旨に賛同し、制作に期待していた。

制作費は最低2億円と見込む。その半分は県内の企業などにも協力を求めたいとし、6月ころまでに制作委員会を設けて、8月にクランクイン、三条をはじめ県内や米沢などハルさんの足跡をたどり、来年6月の完成を目指す。

瀧沢さんは、1980年に東映(株)CM企画演出入社、83年からフリー活動開始、テレビや劇場用コマーシャルなどの企画、演出を手がけ、2004年に劇場用映画『ベースボールキッズ』の総指揮、監督を務めている。