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長男の自殺はパワーハラスメントが原因と燕市の両親が提訴(2006.6.29)

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長男の自殺の原因は職場の上司のパワーハラスメントに責任があるとして、燕市内に住む両親が29日、長男が勤務していたアークランドサカモト(株)と長男の上司2人に合わせて4,200万円余りの損害賠償を求め、新潟地方裁判所三条支部に提訴した。

新潟地方裁判所三条支部前で会見する玉橋さん(手前)と和田光弘担当弁護士(奥)

新潟地方裁判所三条支部前で会見する玉橋さん(手前)と和田光弘担当弁護士(奥)

訴えたのは燕市燕、会社役員玉橋計治さん(56)と妻のムツ子さん。昨年8月の亡くなった当時26歳だった長男の亮治さんが平成16年10月から同12月末までの間、勤務していた三条市内のホームセンターを経営するアークランドサカモト(株)と亮治さんの上司だった2人を訴えた。

訴状によると勤務当時、新入社員の亮治さんに上司1人が継続的に乱暴な言葉遣いや足を蹴るなどの暴力行為で追いつめてうつ病にさせ、当時の店長はそうした事実を知りながら適切な環境整備を行わず、退職に追い込まれた。

さらに、退職後、会社に謝罪などを求めたが、口頭で謝罪はあったものの、慰謝料請求には見舞金ていどの支払いの回答で、亮治さんを精神的に追いつめ、自殺に至ったとしている。

亮治さんの死後、両親は亮治さんの遺書やノートを整理して、パワーハラスメントと評価できる行為でうつ病となり、その責任は会社にもあるものと確信し、提訴した。

パワーハラスメントとは、職権などのパワーを背景にして、本来の業務の範囲を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、就業者の働く関係を悪化させ、あるいは雇用不安を与えること。

訴状を提出した父親の玉橋さんは、新潟地裁三条支部前で和田光弘担当弁護士とともに会見し、「人権擁護、社会正義、企業倫理、再発防止の4つを訴えたい」とし、「こういうことがあったことを広く世間に知ってもらい、これが正しいか判断してもらいたい」と述べた。

一方、アークランドサカモト(株)では、訴状が提出されたことについて「現時点では、答えることはできない」としている。