4日昼の強盗逃走の通報は事件性なく、市教委の安全・安心情報メール一斉配信で市教委、警察とも対応に追われる(2006.9.4)

三条市では4日昼、条南町で包丁を持った2人組の強盗が逃走したとの110番通報を受け捜査しているとの三条署からの連絡を受け、児童の下校時間帯だったことから安全・安心情報メールを約3,000人の登録者に配信し、集団下校の措置をとった学校もあったが、その後の捜査で事件性はないものとの見方が強まった。

教諭の引率で集団下校する四日町小児童

午後0時50分ころ、市内に住む人から包丁を持った2人組の強盗に押し入られ、犯人は逃走したとの通報があり、三条署では捜査を行う一方、午後2時10分に三条市教育委員会学校教育課に連絡した。

市教委には、通報の内容と捜査中であることを伝えるとともに、児童の下校時刻に当たることから学校では集団下校を行うなど、安全確保のため対応と注意を喚起を求めた。さらに通報のあった地域に近い小中学校4校にも同様に直接、連絡した。

市教委は各学校に連絡するとともに、緊急性があると判断。今春から運用を開始した「安全・安心情報メール」で登録市民約3,000人にいっせいにメールを配信し、あわせて市のホームページの「安全・安心情報」に通報の内容を掲載した。

不審者情報や子どもの安全にかかわる情報は、これまでも三条署と市教委で連絡を取り合い、情報を市教委から各校に連絡し、内容によってはホームページに掲載したが、メール配信は今回が初めてだった。

市教委からの連絡で、周辺の小学校では教諭が引率して集団下校したり、下校時刻にあわせて自治会の人が外に出て見回るなどした。

しかし、その後の捜査で三条署は事件の可能性は低いとの見方を強めたため、市地域振興課では、「条南町で通報のあった強盗事件については、事件解決の目途がたち、安全が確認されました。ご安心ください。」とのメールを一斉配信した。

事件性がなかったのは幸いだったが、メール配信によって市教委には事件発生場所の問い合わせ、三条署には「子どもを外で遊ばせてもいいか」、「犯人は捕まったか」など市民や学校関係者から問い合わせが殺到し、日常業務に手が回らないほど対応に追われた。

三条署では、メール配信の速報性を高く評価する半面、課題も多いとし、今後、メール配信の取り扱いを市教委や市とともに検討していく必要があるとしている。

また、三条署には直接、教諭から問い合わせの電話もあり、学校側の情報共有の問題点も。市民にメールを配信するタイミングや文面も警察と市側で調整する必要があったのではないかとしている。

安全・安心メールは、教育委員会と市地域振興課と双方で配信することができるようになっており、市地域振興課では、今回は第一報では教育委員会と地域振興課との連携がよくなかった。配信する文面の確認や調整の方法など、今後、検討するとしている。