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三条市・日野浦刃物工房が昨年に続いてフランクフルト・メッセ・アンビエンテ出展 (2007.2.2)
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昨年10月に第2回にいがた県央マイスターの認定を受けた三条市塚野目1、日野浦刃物工房の日野浦司さん(50)は、2月9日から13日までドイツで開かれる世界最大の消費財見本市「フランクフルト・メッセ・アンビエンテ2007」に出展し、鉈や包丁など三条鍛冶職人の技術で世界の市場に挑戦する。
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消費財見本市「フランクフルト・メッセ・アンビエンテ2007」に出展する日野浦刃物工房の日野浦司さん
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日野浦さんが、「フランクフルト・メッセ・アンビエンテ」へ出展するのは昨年に続いて2回目。Japanブランド育成支援事業の委託を受けて三条商工会議所が取り組んでいる、地場産品を「三条ブランド」としてヨーロッパ市場に浸透させることを目指す「SANJO発グローバルブランド構築支援プロジェクト」の一環。同プロジェクトに参加する市内の企業7社とともに三条から出展。昨年に続き、個人事業主として出展するのは日野浦さんだけ。
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ことし出展する「花鉈」
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日野浦刃物工房は、日野浦さんと日野浦さんの長男、妻の3人で鉈(なた)を中心に刃物を製造する「鍛冶屋」。カスタムメードの「司作」のブランドを持つ日野浦さんは、以前から「小さくたって海外と取引できるようになりたい」と漠然と考えていたが、「つてもないし、チャンスもなかった」。
それが、昨年、同プロジェクトへの参加のチャンスをもらい、「ダメもとでも、精一杯やろう」と「司作」の鉈や小刀など7アイテムを手にアンビエンテに初出展。さらに、せっかくドイツまで行くのだからと展示会期間中はアテンド(接客)につき、英語と三条弁で積極的に説明したと言う。
鋼付けから自分でしていることなどを理解してもらい、展示会終了後には、「作っているところが見たい」と数社が三条の工房を訪れ、刃物の町として知られるドイツ・ゾーリンゲンやイタリア・ミラノの会社との取引に結びついた。
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昨年の出展商品
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日野浦さんは「日本で捨てられた鍛冶屋が、海外で拾ってもらえれば」。日本での「鍛冶屋」は古いイメージをもたれがちだが、昨年の出展が取引に結びつき、海外でも価値を認めてくれる人がいたことに勇気づけられた。
前回の出展で会場の通訳から、最低5年は(出展を)続けたほうがいいとのアドバイスを受けていたことなどもあり、ことしも再び海外への販路開拓の挑戦を決意。
「鉈という文化はヨーロッパにはないので、鉈とはどういうものか、作り方などを伝えることができるようにしたい」と、昨年はなかった自社のパンフレットを用意し、展示品には包丁を加えた20アイテムを準備。「鋼付けから作る技術にこだわりたいし、こだわる理由を少しでも伝えたい」と話しており、7日にドイツに向けて出発する。
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