三条市がマンション・アパガーデンズ東三条の耐震強度不足、確認申請書に偽装があったことを公表 (2007.4.12)

三条市は12日午前10時から開かれた市議会建設常任委員会協議会で、富山県の設計業者が関わったアパグループのマンション・アパガーデンズ東三条の耐震強度問題に関して、入居済みの1棟と建設中の1棟の2棟について構造計算の再計算などを行った結果を報告。2棟とも耐震強度に不足があり、当初の確認申請書に偽装があったことを確認し、アパ(株)に対して口頭で指導を行い、自主的な是正を求めたとした。

12日開かれた三条市議会建設常任委員会協議会でマンション・アパガーデンズ東三条に耐震強度不足があったことを報告する国定市長

国定勇人市長から経過と概略を説明、「一部の耐震壁を意図的に過大評価しており、このことについて偽装と判断した」。耐震強度は1.0を満たさなければならないところ、49戸のうち47世帯が入居するアパガーデンズウエストコート、建設中の同イーストコートの2棟とも0.85で、国が建築基準法で定める耐震強度の85%にとどまっていた。

耐震強度不足が明らかになった三条市東三条の左がアパガーデンズウエストコート、右が建設工事を中断している同イーストコート

しかし、同様の偽装があった姉歯物件では0.5未満もあり、国土交通省は危険な建築物として速やかな移転が必要としているが、今回の2物件は0.5を上回っていることから、市としては「住民の方々の速やかな移転を求めるところではないと考えている」。

とはいえ、耐震強度不足は事実であり、4月11日にアパ(株)に自主的な是正計画の提出を指導したとし、さらに、11日夜、住民に対して三条市の方針や結果を説明した。

三条市は今後、速やかな是正措置が講じられるようアパ(株)へ指導を行うとともに、全庁体制で対応する住民向け相談窓口を設置する。

国定市長は「一日も早くアパ側から自主的な是正計画の提出を求めるとともに、強度不足が一日も早く是正され、入居されているみなさま方が安心して暮らしていけるように指導していきたい」と述べ、この日のうちに国交省も調査結果は公表すると聞いているとした。