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旧三条高校第二体育館で映画『マリと子犬の物語』の三条市内で最後の撮影 (2007.4.12)
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新潟県中越地震での実話を描いた絵本を題材にした映画『マリと子犬の物語』の三条市内での最後の撮影が11日、三条市南四日町1の旧三条高校体育館で行われ、船越英一郎さんをはじめとした出演俳優とともに、 地元エキストラ約130人が参加した。
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11日、旧三条高校第二体育館で行われた映画『マリと子犬の物語』の三条市内で最後の撮影
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『マリと子犬の物語』は、旧山古志村に住む母犬マリが、新潟県中越地震でたんすの下敷きになった飼い主を勇気づけ、人間が全村避難したあと、えさもないなかで子犬を守り抜いた実話を絵と文章で描いた『山古志村のマリと三匹の子犬』(文藝春秋刊)を基に映画化。監督は猪股隆一さん、キャストは船越英一郎さん、松本明子さんなど。
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撮影スタッフ
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撮影は3月下旬から旧山古志村を含む長岡市全域や三条市内で行われており、この日の旧三条高校体育館での撮影が三条市では最後の予定。午前7時半に撮影がスタートした。
三条高校の旧第二体育館は、中越地震で避難所になった長岡大手高校という設定。午後の撮影では、船越英一郎さん演じる山古志村役場職員の「優一さん」(役名)や広田亮平君が演じる長男「亮太くん」らが山古志村から避難してきた日の夜のシーンを撮影した。
夜を演出するために、窓の暗幕を引き、天井に張った白い大きなスクリーンに照明を反射させて間接照明にした。救援物資のふとんやペットボトルが山積みになった体育館で、床に毛布を敷いて不安な一夜を過ごす避難民のシーンを撮影した。
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作品のPR用スチール写真
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ワンカットごとにテストを繰り返してから本番。緊張感のなかでスタッフの「はい、OKです!」の声が響くと、エキストラの人たちもほっとした表情だった。
エキストラは長岡市民と三条市民が中心。長岡市から参加した男性(35)は中越地震で被災し、避難所の世話になった。「かっこつけてるみたいですが、いい映画をつくってもらうことに参加し、支援してくれた人たちに恩返しできれば」と応募した。
撮影で「○日の設定です」と言われるとその日のことを思い出す。長岡市内での自衛隊が炊き出しする撮影シーンには、「撮影に参加する緊張感か、当時を思い出してなのか、何とも言えない、とても複雑な気持ちになった」と複雑な感情だったと言う。
また、7・13水害の被災後に同校の掃除をした三条市民は、「三条高校は移転したけれど旧校舎が、映画の中で残るのはうれしい」と話していた。
作品は5月初旬にクランクアップ、10月完成で12月8日から全国東宝系で公開される。
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