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三条市の関本哲秀さん、脳梗塞のリハビリで波瀾万丈の半生をまとめて出版 (2007.5.19)
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5年前に脳梗塞(こうそく)で倒れ、リハビリを続ける三条市・割烹「川波」代表取締役社長、関本哲秀さん(59)=三条市西裏館2=は、リハビリの一環で自身の半生を一冊にまとめた『波があるからおもしろい〜弥太の独り言』(1,000円)を出版。同様の病と闘う人たちの張り合いになればと17日午後、三条市に20冊を寄付した。
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『波があるからおもしろい〜弥太の独り言』を出版した関本哲秀さんと妻幸子さん
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関本さんは妻幸子さんと2人で市役所を訪れ、国定勇人市長に著書を手渡した。国定市長が、本を読んだ皆さんに自信がつけば、関本さん自身の新たな可能性も広がると話すと「障害をもっても、やる気になれば何でもできる」、「今度は(本の)営業に出なければならないな」と笑顔で答えていた。
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国定市長と談笑する関本さん
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関本さんは脳梗塞(こうそく)で左半身がまひ。今もリハビリを続けている。2年近く前から眠れない夜、昔のことを思い出してメモに書き留めるようになった。
そのメモを読んだ友人の勧めもあり、本にまとめた。医師はもちろん、友人や家族に「世話をかけっぱなし」と話す関本さん。「友だちのバックアップでやっと形になった」とあらためて感謝し、本が完成したときには「すっげーことん、なったなあと思った」と目を細める。
著書は新書サイズで147ページ。題名の「弥太(やた)」は、関本さんの板前修業時代の関本さんのニックネームで、題字は関本さんの自筆だ。
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関本さんの著書『波があるからおもしろい〜弥太の独り言』
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内容は三条で生まれ育った関本さんの少年時代に始まり、時間を追ってつづる。バドミントンに励み、妻の幸子さんと出会った第二中学校時代、やんちゃだった板前修行時代、苦労を重ねた開業期、三条青年会議所の理事長やバドミントン協会、結婚や長男誕生など家族、発病、リハビリと続く。
中学生の時に一目ぼれした妻の幸子さんのことは、本の冒頭から書き、後半でも発病後、あらためて自身の最大の理解者で、最高のパートナーが妻であることを確信し、「何としてももう一度復活し、彼女に楽しい思いをさせてあげたいと思った。オトコ哲秀、負けてたまるか!」とも。
「挑戦」とある最後は、「人生、勝つこともあれば、負けることもある。その方が楽しい。波風ひとつない、凪(なぎ)の状態ばかりでは退屈する。波があるからおもしろい。」と締めくくる。
同書を読んだ人から「映画にしたら?」と言わたほど、まさに波瀾万丈の半生を詰め込んだ集大成となっている。
三条市への寄付については、「同じような病気の人に読んでもらい、あいつもやったんだから、おれにも何かできると張り合いにしてくれれば」。三条市は、市の図書館や施設に置くほか、三条市仲ノ町、野嶋書店で同書を購入することもできる。
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