28日午後1時前、三条市月岡地内の五十嵐川の中州で土砂や砂利などの採取工事をしていた作業員8人が、雨で五十嵐川が増水したたため、中州に取り残されたが、午後2時に県の防災ヘリコプターによって全員無事救助された。
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三条市月岡地内の五十嵐川の中洲に取り残された建設作業員8人を救出する県の防災ヘリ(28日午後1時47分撮影)
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作業員が取り残されたのは、道心坂下流の日本ハム惣菜(株)新潟工場の裏手付近の川の中。7・13水害による災害復旧助成事業右岸築堤護岸工事に関連する中洲土砂利採取工で作業していた。
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中央が川の中に孤立した中州、作業員は救出したがダンプなどはそのままに
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午後0時52分に中洲に取り残された人がいるようだとの119番通報で、三条市消防本部が出動。あわせて、県の防災ヘリコプターも出動を要請した。
強い雨の降るなか茶色く濁った川岸で消防もボートを準備したが、ヘリコプターの到着の方が早かった。
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下流側の中州に着陸したヘリコプターに乗り込む作業員
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結局、8人は2カ所に分断された中州に取り残され、下流側の中州はヘリコプターが着陸して5人作業員を乗せ、上流側の中州は上空でホバリングしたヘリコプターから3人の作業員をつり上げて救助した。けがなかった。
救助された人の話では、この日は朝から同所で作業をしていた。中州には左岸と結ぶ形で工事のため1トンの土のうなどを並べて堰(せき)のようにしていた。
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中州で進む作業をボートを待機して見守る消防職員(手前)
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しかし、増水して水がオーバーフローし始めたと思ったら一気にあふれ、下流側の左岸から中州まで続く1トンの土のうなどを並べた上に鉄板を載せた工事用の仮道路が川に飲み込まれて見えなくなり、中州に孤立、取り残された。
工事をしていた場所で砂利を積んで高くなっている部分にダンプカーやショベルカーを上げようと動かしているうちに、中州の中間部分も川の中となったようだ。
作業員は救出したものの、下流側の中州には作業用のショベルカー5台、上流側の中州にはダンプカー3台と普通車2台がそのまま取り残されている。
三条市消防本部の観測では、この日の雨量は、1時間雨量では午後1時までの1時間の15.5ミリを最高に午後5時までに累計47.5ミリ降った。
一方、笠堀ダムは、降雨に伴って放流量を増やした。28日に入ってから毎秒3.84トンだった放流量は、午前4時に同4.77トン、同5時4.77トン、同6時16.90トン、続く同7時には91.94トンにはね上がり、同8時の151.48トンをピークに同11時ま毎秒100トン前後の放流が続いた。
放流が増えるのに比例して五十嵐川の水位も上昇。作業員が取り残された現場からさらに上流側に設置された篭場観測所では、28日に入って午前3時まで16.99メートルだったのが、それからしだい上昇した。
最も水位が上がったのは、午前8時の17.0.8メートルから同9時の17.76メートルと1時間に0.68メートル。ピークは正午の18.07メートルで、28日に入ってから水位は1.08メートル上昇したことになる。