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三条デザイン研究会が古民家の再生で知られる建築デザイナー、カール・ベンクスさんの講演を聴く (2007.10.8)
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三条デザイン研究会(山井太会長・会員43人)は5日、県央地域地場産業センターで開いた10月例会で、十日町市(旧松代町)に住む建築デザイナー、カール・ベンクスさんを講師に「古民家が拓く未来〜ジャパンブランドとしての可能性」のテーマで講演を聴いた。
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三条デザイン研究会の10月例会でカール・ベンクスさんが講演
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同研究会は、三条を中心とした建築、デザイン関連の経営者やデザイナーをメンバーに構成。この日は、会員以外も参加できる公開例会として開き、約70人が聴講した。
ベンクスさんは、カールベンクスアンドアソシエイト有限会社=十日町市室野=の代表取締役。1942年ドイツ・ベルリン生まれ。家具職人の父の影響を受け、ベルリン、パリで建築デザインオフィスに勤務しながら建造物、家具の復元・修復を学び、96年に空手を学ぼうと日本大学に留学した。
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講師のベンクスさん
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以後、建築デザイナーとして欧州をはじめ、日本で活動。とくに日本の民家に強くひかれ、81年に日本の寺院をドイツ・デュッセルドルフへ移築する仕事にも携わり、93年、旧松代町(現十日町市)で現在の自宅「双鶴庵」となる古民家を購入し、再生に着手。旧巻町のレストラン「カーブドッチ」や県央地域でも弥彦村の「酒屋やよい」の建築デザインを手がけている。
ベンクスさんは、旧松代町の自宅をはじめ、西洋風のデザインなども取り入れたうえで材料を生かして再生した古民家の写真などを映しながら日本語で講演した。
講演の前に三条市内を歩いたベンクスさん。「なぜ、古い家を大事にしないでしょうか。ドイツだったら考えられれない」と、古い家にある価値や個性が失われつつあるのを嘆いた。
中越地震や中越沖地震で古い建物が倒壊したことについては、「違うんです。メンテナンスしていなかったから。構造的に考えるとすばらしい考えだった」と構造に問題はなかったことを強調。さらに解体した江戸時代の建物に数多くのことを学び、「日本の細かい技術が見え、非常にすばらしい構造力がある」と、古い建物の持つ魅力を熱く語った。
参加者は、ベンクスさんから見た日本の魅力に気づかされていくように、次々と映し出される生まれかわった古い家の写真を真剣に見ていた。
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