三条商工会議所、五十嵐川改修工事で客足、売上が減少する市街地の支援措置を三条市に要望 (2007.10.16)

7・13水害に伴う五十嵐川改修工事が本格化して三条市の中心市街地への客足が遠のき、売上減少が続いていることから、三条商工会議所（渡辺勝利会頭）は15日、三条市に特別融資制度や迂回（うかい）仮橋の安全確保の支援措置を要望した。

五十嵐川改修工事の影響を受けている三条市の中心市街地の支援措置を市に要望する三条商工会議所

午前11時に馬場信彦副会頭、小売商業部会正副会長、各商店街の理事長や会長など9人が市役所を訪問。先に小売商業部会会員に対して行った五十嵐川改修工事に伴う影響調査の結果を国定勇人市長に手渡した。

それを基に予想される資金繰りの悪化に対応した特別融資制度の実施、さらに来店客の確保にもつながる迂回仮橋の安全性の確保を要望。迂回仮橋は冬場の歩行の安全性を高めるための風防の設置などを求めた。

同影響調査は、8月10日まで小売商業部会会員（267件）を対象に行い、商店街エリアから55件、それ以外から33件の計88件の回答があり、回収率は33%。改修工事前と比較して店舗周辺の来街者数が減少したとする回答は56%（49件）と半数を超え、商店街エリアに限ると71%（39件）にものぼった。

ことし6月までの売上は前年同期比で「減少」が88%（42件）と圧倒的だったのに対し、「増加」はわずかに8%（4件）。また、直面するしている問題点の設問では、トップに「大型店・中型店との競争の激化」、「需要の停滞」、「購買力の他地域への流失」を上げた人が多かった。

国定市長は要望に対して、特別融資制度は前向きにできるだけ早い措置を検討し、迂回仮橋の安全確保は県の管轄なので要望があったことを県に伝えるとした。

一方、商工会議所側は要望とあわせて「市から見れば（商店主らも）固定資産税などを納める市民はお客。わたしたちが困ったときにどう対応できるのか」、「商店街、個店にどうやって（客が）来てもらうか、市に考えてもらいたい」と最大限の支援を求める発言があった。

これに国定市長は、「市民はお客」は当然としても、中心市街地の活性化は市民が主役であり、「市にお願いすれば、なんとかという発想はやめてもらいたい」と、一歩引いて自主性を求めた。

しかし、「ただ、市は何もしないということではない」と前置きしたうえで、商売のすそ野を広げる「ご用聞きネットワーク」などの検討や、「商店街は歩かせてなんぼの世界。便利さと真逆の方向で考えてみては」とアドバイスも。

「三条の商店街がもつ古き良き世界、もとの三条らしさ、日本らしさの追求」などを例として提案し、その仕掛けを作っていくために市が助成や補助などをすることでまとまっていくのであれば、積極的な支援をしたいとの考えを示した。