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さんじょう遺跡物語 縄文インストラクター養成講座の最終回で、手作りの石おので木を切り倒す (2009.2.17)
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三条市市民部生涯学習課は15日、三条市下田地区で「さんじょう遺跡物語 縄文インストラクター養成講座」の最終回を開き、受講生から自分で作った石おので木を切り倒し、縄文時代の暮らしを体感してもらった。
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「さんじょう遺跡物語 縄文インストラクター養成講座」の最終回
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三条市で発掘された2万年前のナイフ形石器や5千年前の石おのは、三条のものづくりのルーツ。そうした古代のものづくりを通して縄文暮らしを体験し、その魅力にふれてもらうのが講座の目的。昨年度は小中学生を対象に「わくわく遺跡体験教室」を開いて石器作りなどを体験してもらい、今年度は成人を対象に開いた。
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手作りの石おのでスギの木を倒す
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受講生は市内の18人。三条考古学研究会縄文達人衆を指導者に昨年6月から5回の座学とフィールドワークを行った。これまでに石を使ったナイフ形石器や石おのを作ったり、その道具でサケやニワトリをさばき、復元した縄文炉や縄文土器で調理した縄文料理を味わったりした。
最終回のこの日は、受講生10人と指導者と市職員など7人が参加した。下田地区の埋蔵文化財調査室に集合し、そのとなりの大浦小学校の裏山で、スギの木を石おのだけで切り倒した。
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受講生が手作りした石おの
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石おのは、カシやサクラの柄の先に、石を削った刃をはめ込んで作ったもの。スギの木は高さ13メートル余り、切り口の直径は25センチで、参加者は1人ずつ順番に石おのを振り、削るように木の周囲から切り口を広げ、1時間近くかけてスギの木が倒れると参加者からは歓声が上がった。
スギの木は見た目以上に重く、「やー、重い。どうやって運ぶ」の声も。みんなで持ったり、担いだりして100メートルほど離れた調査室へ運んだ。スギは今後、同所にモニュメントとして建立する計画だ。
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収穫?したスギを前に参加者で記念撮影
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受講生の会社員内山りえさん(33)は、「石おのを使って生の木を切ったのは今回初めてで、(すでに伐採した木と違って)柔らかかった。石おのを木に当てる瞬間だけ力がいる」と、石の重さを使って切るこつと先人の知恵を習得していた。
ほかの女性も「生まれて初めての体験ばっかりで、縄文人はすごいと思った。チャッカマンのありがたさがよくわかった」と実感。火おこしや金属の刃物を使わない調理も「楽しかった。もっといろんなことをしてみたい」と、初めてのことだらけの縄文人体験を大満足だった。
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