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蒲原鉄道線で活躍した昭和5年製造の電気機関車「ED1形」を冬鳥越スキーガーデンに移送 (2009.6.25)
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平成11年の廃線まで蒲原鉄道線で活躍した昭和5年製造の電気機関車「ED1形」が24日、展示のためにそれまで置かれていた五泉市の蒲原鉄道敷地内から加茂市の冬鳥越スキーガーデンに移送された。
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冬鳥越スキーガーデンに到着し、クレーンでつり上げられる蒲原鉄道線で活躍した電気機関車「ED1形」
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「ED1形」は日本車両の製造で、全長9.18メール、重量は本体と車両部分など合わせて25トン。車輪部分は一足早く前日に移送され、この日は車体が移送された。重さ11トンの車体をトレーラーに載せて午前4時半に蒲原鉄道を出発し、30分余りで冬鳥越ガーデンに到着した。
冬鳥越スキーガーデンは、展示場所までトレーラーが入れないため、大型クレーンでつってトラックに載せ替えて運び、再び大型クレーンでつり上げ、先にバラ園の手前に設置した2つの車輪部分の上に車両本体を載せた。
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先に移送された車両本体の到着を待つ車輪部分
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早朝の作業だったが、鉄道ファンや地元の人など数人が見守った。輸送作業を請け負ったのは日本通運。作業服にヘルメットで、笛を合図にクレーンのつり上げを行うなど1時間ほどで動かしてしまうスムーズであざやかな動きに見学する人たちは「見事だね」と驚いていた。
「ED1形」は、昭和5年に蒲原鉄道線が加茂駅まで延長されたのに伴って導入された。当時の国鉄は、五泉駅と加茂駅で貨物を取り扱っており、「ED1形」は蒲原鉄道の七谷駅や東加茂駅から加茂駅に出荷するコメや家電メーカーの製品の貨物を運び、活躍した。
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展示場所でクレーンでつり上げて車輪部分に乗せられる車両本体
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昭和56年に国鉄五泉駅、翌57年に加茂駅がそれぞれ貨物取り扱いが停止になると、電気機関車は社内工事や除雪以外に用途がなくなり、蒲原鉄道敷地内で余生を送っていたが、歴史ある電車を有効活用できればと、加茂市は蒲原鉄道車両を譲り受け、展示することにした。
蒲原鉄道線は村松−加茂駅間を運行していた。冬鳥越ガーデンは当時、同線の「冬鳥越駅」があった場所。昭和60年に加茂−村松駅間が廃線になって以来、20数年ぶりに「冬鳥越駅」に「ED1形」が里帰りした。10月ころまで修復作業が行われ、化粧直しが終わったら新しく生まれ変わった「EDI」を披露する。
同園には、すでに県内最古の木造電車「モハ1形」(大正12年製造)と半鋼製電動客車「モハ61形」(昭和14年製
造)の2両を展示している。「ED1形」とあわせて「モハ61形」の修復も行い、今回の移設費用や2両の修復など合わせて約1,700万円を投入する。
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