|
20日まで燕市産業史料館で鉄を素材にした若手彫刻作家の作品が並ぶ「渡邊トシフミ 鉄の彫刻展」 (2009.7.9)
|
|
|
|
燕市は3日から20日まで燕市産業史料館で「渡邊トシフミ 鉄の彫刻展」を開いており、本県出身の若手彫刻作家、渡邊トシフミさん(24)の鉄を素材にした作品20点を展示している。
|
7月20日まで燕市産業史料館で開かれている「渡邊トシフミ 鉄の彫刻展」
|
渡邊さんは1985年新潟市に生まれた。2007年に日本大学芸術学部美術学科彫刻コースを卒業、日本大学古田奨学金を受賞。08年に財団法人北野生涯教育振興会彫刻奨学生を受賞、09年に日本大学大学院芸術学研究科を修了している。
|
若手彫刻作家、渡邊トシフミさん
|
07年の新潟・羊画廊をはじめ、08年には東京・ギャラリー山口や新潟市内、ことしも日本大学大学院芸術学研究科造形芸術専攻博士前期課程修了展2009などで個展を開いたほか、本県での「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ」や東京、埼玉、石川などでのグループ展にも出品し、精力的な創作活動を展開している。
燕市での個展は初めてで、2009年の新作「Signs」や「Plant」シリーズを中心に展示。鉄板や鉄筋を溶接してグラインダーで削ったり、丸棒と角棒を組み合わせて表面処理した作品など、素材の鉄にさまざまな加工技術で制作した作品をゆったり空間を生かして配置し、スポットライトが生む陰影も計算して鉄の質感や表情を強調する。
鉄板を溶接して作った四角形に、縦と横に升目のような溝を彫った作品では「鉄に自分の生きた証を刻むように、削るところに集中した」と渡邊さん。鉄は溶断や溶接で「重力にさからえる。木や石とは違って、ありえない形が簡単にできてしまう」と、素材としての鉄の魅力に引きつけられている。
ふらっと立ち寄った年配の女性が会場に入った瞬間に「鉄のにおいがするね」と話していたという。身近に金属素材がある燕市らしいエピソードで、「この若さで、この場所で、いい経験をさせてもらい、もっともっとという気持ちになった」と、渡邊さんは開催地から刺激を受けている。
開館は午前9時から午後4時半まで、会期中は13日が休館。入館料はおとな300円、子ども100円で、土、日曜と祝日は燕市内の小中学生は無料で、その付き添いの保護者1人も無料になる。
関連リンク
|