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水害から5年の節目で最終回となった第5回7.13水害メモリアルコンサートFINAL (2009.7.14)
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7.13水害フォーラム実行委員会(今井良平代表)は、水害から5年の13日夜、三条市総合福祉センターで「第5回7.13水害メモリアルコンサートFINAL」を開き、水害当時は避難所やボランティアの活動拠点になった同センターを約400人が訪れ、コカリナ奏者、黒坂黒太郎さんの演奏に耳を澄まして聴き入った。
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13日開かれた最終回の第5回7.13水害メモリアルコンサートFINAL
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同実行委員会は市民の立場で水害を検証、教訓として将来に生かそうと、企業や個人の支援を受けて水害の翌年から毎年、コンサートを開いている。
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会場入り口に並べた9つのタケ灯ろう
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水害から5年たって市内では水害のつめ跡を目にすることは、ほとんどなくなった。決壊した五十嵐川の改修工事も完了に近づいているため、コンサートは「役目を終える日を迎えた」として、今回を最後にする。
今回の出演者は、第1回と同じく黒坂さんとその妻でボーカルの矢口周美さん。前回は快く無償で公演を引き受けてくれたので、いつかは恩返しをと考えていたことから、ファイナルでの再公演が実現した。
ことしも水害で失われた9人の命を表す9つのタケ灯ろうを会場入口に並べ火をともし、会場には水害当時の記録写真数十点を展示。開演に先だって水害の犠牲者に黙とうをささげた。
黒坂さんは、第1回のときはあちこちに被災の跡が痛々しかったのが、今ではすっかり復旧し、市民と再会できて良かったと話すと、童謡やオリジナル曲を演奏した。
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会場に展示した水害の記録写真
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コカリナは、木製のオカリナ。柔らかで素朴な音色で、矢口さんの透き通るような声とオートハープの演奏が、来場者をいやし、和ませた。
この日、黒坂さんは会場近くの四日町小学校でもコンサートを開き、6年生が話してくれた水害の体験を紹介した。水害当時、1年生だったその児童は、家が水につかって商売をやめたが、家族みんなで頑張ってきたと言う。
「この子も頑張ってやってきたんだなあと思い、胸が熱くなった」と黒坂さん。そうした話や優しく懐かしいメロディーに当時の困苦を思い出すのか、涙で目を潤ませる人もあり、曲が終わるたびに大きな拍手を送っていた。
コンサート後、会場で水害の記録写真を見る三条市西四日町の60歳の女性は、水害当時のことが鮮明に思い出していた。13日は自宅にいて、昼ころに水がきて、あれよあれよという間に胸のあたりまでになった。水が引いた後の道路に出されたごみの山がすごかったことも思い出す。
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7.13水害フォーラム実行委員会の委員で集合写真
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水害による直接的な死者だけでなく、水害後にショックや疲労で亡くなった人も多いと聞き、友人も病気で亡くなったと話すと涙を我慢することができなかった。
同実行委員会では、実行委員会主催のコンサートは今回で終わりだが、今後も「なんとしても水害を風化させないこと」が大切と言い、市役所の中にコーナーを設けるなど行政の取り組みに期待している。
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