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三条市議会河川改修事業等調査特別委員会で市が嵐川橋上部工工事について経過説明、県の担当者を参考人に質疑 (2009.7.23)
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三条市は23日開かれた市議会の河川改修事業等調査特別委員会(西沢慶一委員長)で、工事の不具合を理由に3月から中止している嵐川橋上部工工事について経過を説明し、県の担当者を参考人として質疑を行った。県は対処案を示す一方、すべて造り直すと供用開始まで1年はかかり、設計とことなる部分の約1億円を請け負い業者に支払わないことなどを明らかにした。
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23日開かれた三条市議会の河川改修事業等調査特別委員会
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嵐川橋は五十嵐川の最下流、信濃川との合流点付近に架かる橋で、7・13水害による五十嵐川災害復旧助成事業で市街地での橋の架け替えが行われた4橋のうちのひとつ。ほかの3橋はすでに完成し、嵐川橋も今秋に完成予定だった。
しかし、3月の請負業者による上部工の測量の結果、橋の中間、2つの橋脚の間の高さが設計より低いことがわかったため、工事を中断している。
委員会では、その現状などを市が説明したあと、委員が現地を視察。その後、委員会を再開し、県三条地域振興局の河内地域整備部長と笹川治水課課長代理の2人が参考人として出席し、質疑を行った。
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嵐川橋を現地視察する河川改修事業等調査特別委員会の委員
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市は、施工業者の説明による現状の概要を「橋の強度には問題ないが、橋桁の中央部がかまぼこ状になるものが、ほぼ平らな状態になっており、橋脚付近で車両がスムーズに走行できないというもの」と説明した。
設計より23センチ低く、かまぼこ状でないので路面が折れ曲がるような状態になり、走行速度の速い車が跳ね上がるという。
原因は、請負業者と主桁製作工場との打ち合わせ不足で、製作計画書内容の確認を怠ったことと、請負業者の製作中の確認不足、具体的には桁の製作キャンバーの検査をしなかったこととしている。
県は対処方法案として、コンクリートを盛る中央径間の橋上面の修正や軽量コンクリートなど適切なコンクリート材料の検討を示しているが、専門家など有識者で組織する「嵐川橋補修工法検討委員会」で今後の対応策などを検討することにしており、7月27日に第1回目が開かれる。
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工事が中断されている嵐川橋
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参考人に対する質疑で県は、「構造的には問題はない」としてすでに架けた桁を使い、本来あるべき形にしていく方法を考えていると述べた。
委員からは次々と手が上がった。そのなかで嵐川橋はつなぎ目のない一体型の橋であり、設計と違う中央部分だけを交換することはできないことがわかった。全部造り直すには、建設中の橋を取り壊し、さらに造り直すとどんなに急いでも1年はかかるとした。
また、全体の工事請負額約3億3,600万円のうち、設計と違う中央部の約9,800万円は支払わないことにしたとし、さらに、今後の対応工事についても請負者・(株)ピーエス三菱新潟営業所が負担することを明らかにした。
工事の再開は、嵐川橋補修工法検討委員会の結果が出たあととし、供用見込みは「できる限り早期」にとどめている。
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